第12話

「つぅか何で未來くんもいんの?またおばさんの車勝手に乗り回したら怒られるよ?」


「俺も藤堂中の奴ら興味あるしさぁ。お袋なんて屁じゃねぇし」



手慣れた様子で車を飛ばす未來くんは兄貴と同い年の高校二年生だ。



「つぅか藤堂中って意外と近いんだな。使ってない原付あるから明日から自分で行けよ」


「えー?原付何処に停めんだよ?」


「職員用の駐車場にでも停めろよ」



狂犬兄貴の戯言を聞き流しながらなんとなく時計を見ると、一時間目が始まる直前の時間だった。

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