第11話

「だっせー。こんなダサい上履き絶対掃きたくねぇよ」



始業式当日。車の中で俺は兄貴の隣で藤堂中の白地に緑色のラインが入った上履きを見て嘆いていた。



「上履きなんて履かなくていいじゃねぇか。俺なんか中学の三年間健康サンダルで過ごしたぞ」



運転席の未來くんは能天気に「なははは!」と笑っている。

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