第5話

ココアから甘い香りがふわんふわん漂ってくる。



「よかった。子供ってココア好きだよね」



「…?」



子供?と疑問に思ったけれど男の人が近くに居るっていうことが事件で気にもとめなかった。



飲んで、と一言添えてテーブル挟んで目の前に移動してきた。



「社長から大体のことは聞いてるけど、さっきから顔色悪いよ。大丈夫?」



「はい」



大丈夫じゃありません。



さっきも今も男の人の顔を直視出来ないでいる。だってこんな風に会話したの幼稚園ぶりで。



「私、小中高と女子校で…パパも居なくて男の人とまともに話したのって多分、幼稚園が最後だったと思うんです」



だから男の人と暮らすなんて…無理です。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る