後悔と選択の末に飛ぶ青空

天空都市「彩雲」、ここはある事情で地上と隔絶された場所。
その天空都市から地上へスカイダイビング、人や物を運ぶのがこの物語の主人公二人です。

ある事情こと、異形の襲撃の中を地上に降りるのだから命懸けです。それも天空から地上への一方通行ときています。そしてバトルがすごくかっこいいです。
依頼人とのやりとりで問われる選択の重さ、覚悟の重さ、後悔の重さ。

優しげなタイクウさん、ちょっと怖そうなヒダカさん。
この正反対にも見える二人がなぜ運び屋をやっているのか?
そこには共に見た夢とかつての後悔がありました。

中盤からの怒涛の展開がすごいです。ドキドキしながら読み進めました。
「後悔なき選択を」という言葉が突き刺さります。
多くの選択と後悔を見てきた二人が選んだものは……。青く広い空に飛び上がるような爽快なラストは読んできて良かった……と思いました。

脇を固めるキャラクターもまた魅力的で、ああ、この人たちがいたからこその選択なのだなあ……としみじみ。

多くの人にとって、どちらを選んでも後悔するなんてよくあることで。とっさに決めなければならないことも、長く悩み続けることもある。
選択は難しいこともあるけれど、その先に青空があると信じて決めるしかないのかもしれません。

アツい正反対バディもの、ぜひ読んでみてください。

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