第7話 堕ちていく

僕の頭は既にもうどうにかなっていた。

明が居ない時に思い切り自らの体に爪を立てていた。恨むべき『アイツ』を求めていた。


体の奥底から疼きが止まらなくなっていた。


「欲しい…欲しいよ…」


僕は……耐えきれなくなって戻ってしまった。


案の定、殴られ、蹴られ……。


でもその後にキスをしてくれた。


そして…「お前の事愛してんだ。勘違いすんじゃねぇよ」と言われた。


僕は、「なら抱きしめてよ…」と言うと素直に抱きしめてくれた。


……僕はそいつの首を掴んで求めた…。

今までは痛くてたまらなかったのに…。


僕は溢れ出てくる欲求を言葉にしていた。


思い切り僕を抱きしめて突き上げてくれた…。


嬉しかった…。


――――――――――――――――――。

その後もほとんど変わらなかった。

でも一つ変わったこは痛めつけた後に激しく愛してくれる事…。


新たに痛みを植え付けながら、抱きしめてくれる…。僕は…完全に見失っていた。

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