第2話 行く先で分かったこと

3人でひたすら歩く。

目視の距離なんて分からない。

ただすぐに着く場所ではないことが分かる。


おっさんはぽかんとしているが、歩いてる。

少し眉間にシワが寄っている。

何か色々と考えているような顔をしている。


子供は、、、大丈夫だろうか…

黙ってついてきているが、

しんどくないだろうか。


そんな私も困り眉になってるかもしれない。

現実を直視しないかのように私は心の中で、

フフっと笑った。


少し喉が渇くから水がほしいな。「とりあえず向こうに着いたら、水を探しましょう」私はそう言った。


私たちは何一つ手持ちがない。

体をまとっている布だけだ。

何か分かったとしても、そこが正解じゃない。

終わりでもない。


そして近づいてきた建物を見るに、

ここは日本ではなく、そしてだいぶ昔だ。

それも地球だったらの話。


「疲れた……やっと着いたな… よし行くか!」

おっさんはポロッと心情をこぼしたが、

すぐみんなを奮い立たせることを言ってくれた。


子供が少し優しい顔をしている。よかった。

私は、自分を奮い立たせることで精一杯だったから。


私「はい!」、子供「…うん!」

同時に返事をし、建物が連なる街へ入った。


人がいる。ぞろぞろと街を歩いている。

言葉が分からない。英語ではない。何語だ?


人がジロジロとこっちを見ている。

服は同じだが、顔が違うから、

珍しそうに見ている。


周りは、穀物を売っていたり、子供がうろついていたり、賑やかな商店街のようだ。


建物が白く眩しい。コンクリートのような建物が連なっている。なんか似たような建物を昔教科書で見たような気がする。


「ギリシャ… 中東…」んー?どこだろう…

「お姉さんここどこか知ってるの?」子供が話しかけてきた。「んーん。分からないけど、学校の教科書で似たような建物を見た気がするの。」


子供が難しそうな顔をしている。そりゃ分かんないよね。身長からして、低学年くらいか?


「あのー、ここどこだと思いますか?」私は、おっさんに聞いた。「んー?だいぶ昔の外国って感じだなー」だめだ。


子供が突然路地を曲がった。行動が小学生らしい。私たちは少し驚いてついて行った。

路地を少し進むと、人通りの少ない小さな広場に出た。


「…井戸があるよ」子供が指さす先には、井戸があった。中を覗くと水が溜まっていた。希望が見えた!


ピロリ菌やら色々と気になるが、使ってる人がいたら、身振り手振りで飲めるのか聞いてみよう。


「誰かが来るまで待とう」と言った…え!!!

子供が近くの家の扉を叩いてる!!?

私とおじさんはどうしたらいいか分からなくて唖然としている。


人が出てきた。私は急いで子供にかけよった。

「飲めるって!」子供が私たちに大声で伝える。

え!?!飲めることの嬉しさと同時に、子供の行動力に驚かされる。


私や、おっさんだったら怪しまれるかもしれないけど、子供だったら、身振り手振りをして聞いても、怪しまれないのかもしれない。


「Thank you!」絶対英語使わない!けどお礼を言ってることを伝えたいから、教えてくれた人に大声で伝える。その人は笑顔だった。


子供が懐いてる…。好奇心旺盛な子だ…。

私が関心しているうちに、おっさんが井戸から水を引っ張りあげようとしていた。


バケツから水を手ですくい1口飲む。

「おいしい…」私は心底ほっとした。おっさんは、まるでビールを飲んだかのようにハァーッ!と言ってる。


「水飲めるよ!おいで!」私は子供に声をかけた。子供がかけよる。そして水を飲み、「おいしいね」と私たちに言った。


ここでもやはり可愛いものは可愛い。

私たちが、水を飲んだり、顔を洗っていると、

教えてくれた人がこっちに来た。


そして何かを言い、家の中に手招きしているようだ。少し怪しくも感じたが、ここで行き詰まっていてもどうせ死ぬだけ。一度は死んだ身だから、みんな少しくらいは思い切ったこともする。


おっさんはラッキーっていう雰囲気を醸し出してる。私もニコッと笑い頷いた。子供はワクワクしているような様子だ。


私たちは家の中に入った。

そしてふと頭に蘇った「繋神」という言葉。

少し落ち着いたら、色々と話さなくてはならない。

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繋神 ペトラ @123house

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