第3話 二度目の初夜
「お待たせしました。」オスミはサオルにプロフィールカードを渡す。「指紋が読み取れるか、試してください。」
「ぽちっ」っと持ち物の箇所を押すと、「大切な持ち物:竜の毛皮のパンティー」と表示された。「.......。」急いでカードをしまおうとするも、うっかり落としてしまう。
「私が拾います。」とオスミが拾う。しかしその際に「竜の毛皮のパンティー」の文字が目に入ってしまう。「そ、それでは私はこれで....。」とオスミはそそくさと離れていった。
自分より年下の女子に初対面でドン引きされることは、流石のサオルも堪えた。「あぁ、反抗期の妹を思い出す....。」と故郷での辛い記憶が甦る。
「そういや、あなた妹さん居たわね♡?」とオスミ観察に満足したリロエが戻ってきて話す。
2人は冒険者協会の役所から出て、飯屋と宿を探し始めた。
「俺居ないことって絶対元の世界で問題になるよな...。」と内心悩んでいた事について、リロエに相談する。「う〜んとね?確かアタシとあなたの事に関する記憶は、全て元の世界で消えちゃったらしいの。つまり、あなたの事を覚えているのはアタシだけってワケ♡」
「....なるほどな。帰る際には戻して貰えるかもしれんが....。魔王を倒し、ハーレムが出来ないひどい生活から解放されたら、この世界に残り続けるってのもアリだな...。勇者だし!絶対モテるし!!」サオルはアッサリと現代への未練を断ち切った。
なんとか飯屋で食事を済ませたサオルは宿屋に着いた。「お客さん、お一人様ですね?」と受付のオヤジさんが聞く。「お一人...?」リロエの方を見ると、リロエはこちらに目を合わせてニマニマしていた。
結局1人用の部屋に来たサオル。部屋に入ってすぐにベットに大の字で寝転んだ。「転移する前、元の世界では9時頃だった...。こっちの世界は来た時昼過ぎだったってことは...ほぼ、徹夜じゃん....。」
人生で一番の事件と言っても過言でない今日の事を思いおこしながら、枕に頭をつけ姿勢を整えてから直ぐに眠ってしまった。
深夜、サオルは息苦しさを感じて目を覚ます。その原因は、足を天井に向けて逆さまになった状態のリロエが抱き枕代わりのサオルの頭を胸に押し付けていた事だった。
プロパの巨乳には劣るものの、そのサイズは人を殺せるものだった。堪らずサオルは胸と腕から必死に抜け出す。「はぁ...はぁ....。それにしてもコイツ、寝相悪過ぎだろ....。はっ!そういえば...!」サオルは重要な事を思い出す!
「俺今日ヌいてねぇ!」仕方ない。高校生だもの。しかも今日は、彼女との性交(未遂)。犬耳獣人の巨乳。ロリっ娘からの冷たい視線....は別にタイプじゃないけど。各方面を補うかのように、多様なシチュエーションにあった。
「トイレ。」本日は幸運にも、共用トイレ以外にもトイレがある部屋に泊まれた。トイレに行き、少し経つと、サオルがドアを開けて出て来た。
「手では死なない。つまり、異性にサオが包まれた状態で果てなければ死なないという事が、今、立証された。しかし、純粋な勇気のみで冒険する俺が、そんなけしからん行動に出るとは思えないがな。」など賢者でしか成し遂げられぬ事を語った。
リロエから離れる為に枕を布団の反対側に置いて寝た。
翌日....サオルが目を覚ますと、リロエはベットから、天井に向けて下半身だけを出した状態で寝ていた。(犬○家のように。)
スカートが重力で下がりパンティーが見えていたが、無視して宿屋から出て温泉に向かった。
昨晩は、元の世界で8時頃に風呂に入っていた事と、疲れていたという事で入らなかったが、朝風呂は安いからということもあり風呂に入る事にしたのだ。
風呂には土木作業員が何人かおり、話をしていた。「聞いたか?何でも宮殿で第二王女様が魔王軍攫われる事件があったらしい。」「無事だといいんだべな〜。」サオルは来たばかりの世界での出来事であったため、大事(おおごと)だな〜。と思いつつも、それほど驚けなかった。
風呂上がり、宿に戻るまでの間に、遠目に家の建築をしている村人達を発見した。よく見ると、金髪ツインテールの女の子が混じっている。
「プロパ!?」指輪を意地でも取り戻したいサオルはプロパに気づかれないよう、慎重に前に進む。
「ありがとう。今回も助かったよ。」「いえいえ!でも少しお駄賃いただけると、ありがたいです!!」どうやらプロパは獣人特有のパワーを使って勝手に人の手伝いをし、給料をいただく事で生活しているらしい。
サオルはプロパの近くまで近づき、取り押さえようとするも「くんくん...この臭いは....?」「プロパ!!指輪を返せ!」「よっと!!!」サオルの組みつきをジャンプで避け、華麗に着地したプロパ。
「お駄賃はまた今度にするねーーー!!!」と言って、森への入り口の方向に向かって走り出し、逃げてしまった。
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