第24話

翌日の雑誌の撮影後の午後7時。

望奈は劇団あすかに向かった。

まだ咲は分かっていない。

「咲の趣味は何?」

暖の質問に望奈は直ぐに答えられなかった。

「天体観測。プラネタリウムが好きだから」

考えて何とか答える。

「好きな食べ物は?」

「オムライス。死んだ母がよく作ってくれた

し、修哉にも作るシーンがあるわ」

「好きな花は?」

「マーガレット。白くて可愛くて咲はそういうの好きだと思う」

「好きな色は?」

「青。修哉の好きな色だから好きになったの」

「咲はどんな子?」

「好きな人への想いを一途に持った真っ直ぐな子。父親思いで優しい。親友は一人。友達は多くはないけど深い」

「出来たじゃないか!」

暖は思わず望奈を抱き締めた。

望奈は突然の事に言葉も出ない。

少しして漸く暖は望奈から離れた。

「それがお前の咲だよ」

そう言った時の暖の優しい笑顔に望奈は釘付けになっていた。

「もう一度昨日の続きから」

暖の顔はもう引き締まっている。

望奈は台詞を言った。

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