第2話 放送
何だよ!!この忙しいのにさ。
大渋滞じゃねーかよ!!しかもほぼみんな止めてる。
国家治安維持管理局?知らんし、そんなの。
火山噴火か?地震では無さそうだし、
とりあえず止めて外出てみるか。
目の前の車から母親と子供が降りてきた。
不安なようでこっちに歩いてきて、事情を聞いてくる。こっちも知りたいくらいだが、
ここは丁寧に対応することにした。
何故なら、不安で仕方ない表情をしてる姿を見せてきたからだ。
やっと放送が始まった。
※全国民の皆様、これは全世界同時に放送されています…※
それを聞いてしゃがみ込む母親、理解できず寄り添う子供、そして、放心する俺…
知りたくは無かった。いや、現実逃避したかった。だって、彼女も作れなかったんだ。
全てはこれからのはずなのに。
本当にその日が来るのか?間違いじゃ無いのか?
聞いたことあったけど、映画の世界くらいに思っていた。
しゃがみ込む母親とその子供に語りかける余裕なんて俺には無かった。
俺自身、何をしていいか解らなかった。
ただ、いつもの景色を見て、美しいと。
慣れている道なのに、やけに綺麗だ。
道端の花も木も石ころも。
子供を抱きしめる母親を見ていた。
何も出来ずに、何も語れずに…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます