第9話~仕事と約束(2)~

ついた場所は、山奥の廃墟だった

「師匠…これほんとに日帰りで帰れるんですか?」

「…多分…何か用事あった?」

確証ないんだ…まぁ帰ってもお父さんに叱られるだけだし…

「…いえ。大丈夫です」

「そう。なら、今から標的(ターゲット)ぐしゃぐしゃにしに行こうか。あっ、ターゲット以外の見張りも殺して大丈夫だから。」

それを聞いて、やっぱり、師匠は暗殺者なんだなと思った

「…わかりました」

「じゃあ、いこうか」

そう、師匠が宣言して…師匠は走りだした。

俺も走って後を追った。

師匠に気づかなかったのに、僕に気づいた見張りが

「侵入者だ撃て!殺せ!」

と言ってくるが

2年間鬼のフルコースで特訓したから、逃げるのは得意。

見張りの後ろに回って拳銃の後ろで頭を殴る。

もう一人、後ろから来たから、後ろに蹴りを入れ急所を突いた。

そしてまた、師匠の後を追う。

また気づいた見張りたちが俺たちを追ってくる。

師匠が話しかけてきて

「もう、気絶じゃなくて、全員殺っちゃっていいよ~。もうめんどくさいし~速くターゲットのところに行かなきゃ日帰りで帰れないよ~」

…泊りになったら尊に迷惑だしな

「よしっ!師匠!行ってくる!」

「おっ桐流くんが真剣にやるの~?…大変なことになるね。……もう…後で異能で処理しないとじゃんか~」

なにかつぶやいていたが、その時にはいっていた


「鬼さん、鬼さん、侵入者はこっちだよ!!」


いかにも小学生が遊びでやる鬼ごっこだ。

「おいっ!りうについてきた、小学生の暗殺者だぞ!!殺っちまおう!!」

…俺、小学生じゃないんだけど…れっきとした中学2年生なんだけど!!

むかつくぅ!!!ちびって言ったら許さない!!小学生って言ったから許さないぃぃ!!!

絶対身長伸ばしてやる!!

「油断するなよ、ちび」

と横からナイフが入ってきた。

「お~危ないなぁ…あと、いまちびって言ったね?言ったよね。ぶちのめしてあげる」

そっちこそ油断しないでよ。

「は?何調子こい…」


パァン、パァン、パァン、ドン、バタッ


拳銃の発砲音。

俺が撃ったたくさんの拳銃の音。さっきの男の横にいた男たちの脳天をぶち抜いた音

そして男が

「はぃ?」

と情けなくつぶやいた声が、周りに反響した。

「そんな声出すなら、もともと来ないでよ情けない」


パァン


その男の脳天もぶち抜いた。

そして、師匠の後を追った。

師匠がいた場所は、廃墟の一番奥だった。

もう師匠はターゲットを殺していた

「あっ桐流くん。もう終わったから帰ろうか。」

それを言った師匠の後ろの段ボールの隙間がきらりと光った

練習で見たことある、あれは…狙撃銃だ。

「師匠!!危ない!」

「どうした…?」

俺は迷わず師匠を押し倒して、拳銃で撃った。


パァン


と音がして、狙撃者は脳天をぶち抜かれた。

「…あ…桐流くん助けてくれてありがと」

「…俺師匠に死なれたら困りますから」

驚いたような顔をして

「…そうか…なら、これからしっかり周り見ておくよ。じゃあ帰ろう。今なら日帰りだよ~」


あっ…家帰ったら父さん…

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