新異世界の塩事情◆後編
さて、異世界パートです。
――まずは、どんな塩事情の場所に登場させましょうか。
ちゃんと塩が採れる(ナトリウム分を含む)海に囲まれた、海塩頼みの島にでもしときます?
同じ海塩頼みでも大陸の方が良いですか?
オーソドックスに岩塩鉱頼みの大陸にします?
同じ岩塩鉱頼みでも、塩の採れない(ナトリウム分を含まない)海に囲まれた大陸にしときます?
意表をついて岩塩鉱頼みの島もありかも?
自分なりの塩設定(それこそ植物塩とか、動物塩とか)をぶち込んだ、よりファンタジックな島にします?
自分なりの塩設定(それこそ植物塩とか、動物塩とか)をぶち込んだ、よりファンタジックな大陸にします?
どんな種類の塩も採り放題の、何でもありな島にします?
どんな種類の塩も採り放題の、何でもありな大陸にします?
何なら島と大陸以外の場所――地中とか海底とか
――次に、どんな塩事情の国に登場させましょうか。
塩がある国にしますか? ない国にしますか?
あるならあるで、どの程度ある国にしますか?
ないならないで、どの程度ない国にしますか?
それとも手っ取り早く、「新異世界の塩事情」の「◆前編」や「◆中編」を踏まえて、実在の国にインスパイアされたことにしますか?
自力で塩を供給しきれずに、じわじわと他国から蝕まれつつあるアメリカ風?
塩の供給ラインがいまだ元宗主国に握られている独立直後のアメリカ風?
金に物を言わせて世界中の塩を買い漁りながら、世界中の国々を殖民地化しようと狙っている絶対王政期のイギリス風?
自国での塩の大量生産を武器に、世界の国々を殖民地化しまくっている産業革命以降のイギリス風?
宗主国相手に塩をどんどん輸出しつつも、塩の供給ラインを狙われつつある殖民地時代前期のインド風?
塩の供給ラインが完全に宗主国に握られている殖民地時代後期のインド風?
輸入塩のお陰で列強の一角までのし上がったものの、隣国の思惑一つで塩の供給が不安定になる可能性が高いオランダ風?
海に面した鉱産資源や森林資源の豊富な独立国ながら、塩だけは輸入頼みのスウェーデン風?
塩の供給地を奪い合っている春秋戦国時代の中国風?
塩が不足して困るという感覚が理解できないステレオタイプな日本風?
塩が不足して困ることもあったであろう内陸部の日本風?
勿論、実在する国やその国の事情に寄せる必要はありません。
そもそも、「塩事情? でもそんなの関係ねえ!」(小島よしお風)とぶっちぎったって良い訳ですから。――塩を必要としない体に生まれ変わっている可能性だって、絶対にないとは言えないですしね。
――さらに、その国のどこに登場させましょうか。
紆余曲折すっ飛ばして製塩所?
稼働中の岩塩坑?
採算が取れなくなって閉鎖された岩塩坑?
岩塩がむき出しなのに手付かずな山の中?
平野部の広大な塩湖?
広々としたカルデラに広がる塩湖?
山の中の小さな塩湖?
森の中の小さな塩湖?
動物たちの塩舐め場?
一枚一枚が巨大で広い塩田?
一枚一枚が小さくて狭い塩田?
千枚田のようにちまちまと山に貼り付いて見える塩田?
塩作りに最適な広い砂浜のある海岸?
塩作りには向かないフィヨルドのような海岸?
塩の入手が困難そうな山の中?
塩の入手が困難そうな深い森の中?
塩が簡単に買える街の中?
塩の入手が絶対に困難なスラム?
海水をそのまま活用している航海中の船の上?
――では、どの程度の塩知識を身に着けた人物を登場させましょうか。
科学的な製塩のスペシャリスト?
伝統的な製塩のスペシャリスト?
現地人に泣き付かれたら、理論的には思いつきそうな理系人?
モノづくり系のバラエティー番組が大好きで、製塩の知識だけはたっぷりある一般人?
塩がないなら買いに行けば良いじゃないと思っていそうな一般人?
さらにさらに。
――「魔法」や「魔力」の有無はどうしましょうか。どちらもいったん「ある」という体で掘り下げてみて良いですか? 「ない」ということにしてしまうと、掘り下げるまでもなく「ない」の一言で話が終わってしまうので。
もし魔法や魔力がある世界だったとして、魔法や魔力で製塩できる世界にします?
それとも、魔法や魔力で作り出した物(塩含む)は魔力が切れると消えてなくなるせいで、魔法や魔力で作り出した塩は摂取しても意味がない世界にします?
それとも、魔法や魔力で作り出した物(塩含む)は魔力が切れるまで消えてなくならないせいで、魔法や魔力で作り出した塩は摂取したら最後、自分が魔力切れになるまで体内に蓄積されてしまう世界にします?
いっそのこと、魔法や魔力に反応して塩が消えてなくなる世界にしてみます?
――なろう界隈で言うところの、いわゆる「
塩の入手が思いっきり困難な世界として設定して、塩の入手のためにあがき苦しんでいる現地人を登場させておいて、そのくせ主人公だけがその制約から解き放たれたかの如く物凄く容易に塩を入手できるようであれば、これらに該当するということになるのかも知れません。
少なくともなろう界隈で言うところの「異世界」の世界観として好まれがちな、いわゆる「中世ヨーロッパ風(でも「国家」という意識がある点だけは近代風)」の世界観に見合う程度の技術水準でしかなさそうな世界に、現代知識にある製塩業を持ち込もうとするのであれば、望むと望まざると「そういうこと」になってしまうのかも知れないですね。
――いずれにせよ、自分だったらどういう設定にしようか、なんて想像するだけでワクワクしてきませんか。
皆様の異世界での塩事情がその世界観を深めるに相応しいものになりますように。
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ちなみに「チート」のように「元々は悪い意味しかなかった語」からいつの間にやら「良い意味が派生してしまう」というのは、「いみじ」のように鎌倉時代には既に見られている語意の変化で、現代語では「やばい」もこのパターンに当てはまります。
こういう語を見つけると「歴史は繰り返す」というか、「いみじ」の精神が受け継がれているなあとほっこりしますね。
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