第5話 ダメは◯でイヤは✗
「では、感想をどうぞ」
明はアズに尻尾を切られた感想を尋ねた。
「あれ?なんか体が軽くなったような……」
「うむ」
驚くアズに明は頷いた。
「どうして?」
「逆に訪ねよう。
主は子供の頃、尻尾はあったか?」
「え?ないですよ?
魔人は、大人になると尻尾を与えられるんです」
「誰にだ?」
「魔王ビシャス様に……」
「魔王ビシャス?」
明は何かを考える。
「悪しき魔王のひとり魔王ビシャスです。
沢山の魔人を従える恐ろしい魔王です」
「なるほど。
魔王ビシャスは何処にいる?」
「ここからアストラル王国を超えてサンザズ山脈の中心部にあります」
「なるほど。
どちらにせよアストラ王国に寄らねばならぬのだな」
「そうですね……」
「よし、アズ。
アストラル王国で準備を整えたら魔王ビシャスを倒しに行くぞ」
「え?」
驚くアズ。
「どうして主君であるビシャス様を倒すのに私の力を借りようとするの?」
「アズ、魔人に尻尾を与えるというのはありえないのだ」
「どういうこと?」
「この尻尾は主従契約に使われる言わば呪いだ」
「呪い!?」
「そうだその尻尾で全てを支配する。
魔王ビシャスは、本当に魔王なのか?
それに値する力を持っているのか?」
「そりゃ!凄いんだよ!
魔力のすごく高いし、レベルも3000もあるんだよ!」
アズがビシャスの凄さを明に説明する。
「では、余のレベルは?」
明が得意げに言う。
「300億……」
「つまりそういうことだ。
余の作戦はこうだ。
主と同じように呪われた魔人たちを解放する。
そうすれば兵を減らして軍力を減らす。
魔王ビシャスを倒すのはそれからでも遅くない」
「でもビシャス様は怖いんだよ。
裏切り者には容赦なく殺すんだよ」
「ほう……それは許されることではないな。
まぁ、ちょちょくらさっさと倒してやろう」
明は、魔人ビシャスを倒すことを決意した。
「本気で言っているの?」
「そいつは呪術師だな」
「え?」
「まぁビシャスを殺すのは簡単だ。
だがビシャスを殺すとアズたちの家族や他の魔人共も死ぬ。
それがビシャスが掛けた呪いは、自分の意思で絶対服従させること。
死ねと言われれば死ぬ、それがビシャスの力だ」
「……じゃ、尻尾を切られた私は自由の身?」
「そういうことだ」
明はそう言って笑った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます