大魔法使いになりたいMP0の少年。〜魔法を駆使して、敵を倒したい。〜

ゴブスラ

第1話 少年は旅立つ

 この世界は魔法が溢れている。魔法は、魔族と神々と人間が争っているときに生まれたとされている。この世界に残った者だけが、獲得できるとされていた。しかし、争っているところを見かねた最高神は、彼らにそれを与えることにした。力を得たことで彼らは争いが終わると期待していた。だが、。と冒険譚に書かれていた。




 村出身の僕は冒険譚に書かれた1人の魔法使いに憧れた。英雄ではなく、魔法使い。村の子どもたちから『脇役に憧れるなんておかしい』って笑われていた。街までいくのに、馬車で数日はかかる距離にある。村の近くにある山に行けば、街を見渡せる。

『絶対にあそこにいく!』

 隣にいる村長ちちは、我が息子は何を言ってだ。って言いたそうだった。驚いた表情を見せながらも、高笑いをしていた。


 昔の記憶が夢として登場した。

「そんなときもあったなー」

 夢で、またあの光景を思い浮かべるとは思わなかった。

「何かありましたか?」

 第一王女のサロハは顔を伺ってくる。

「いや、夢を見ていただけ」

「夢?わたしたちが最強になる夢ですか?」

 そう。僕たちはになるためにパーティーを組んだのだ。

「いや、幼い頃の夢を見ていただけ」

 何かを思い出したようで、ハッとなった。

「そうーあっ!?、、、団長が呼んでいました。ロビーに来るように。と」

 はやめに言ってくれよう。

「分かった。すぐに行く」

 彼女はその一言を聞いて、部屋を出た。




 王都から山を1つ越えた先にある辺境の村で生まれた。僕の父親は、元冒険者兼「冒険譚」の作者でもある。そんな彼は毎日のように、「俺は魔王幹部の1人を倒した」とか「俺は勇者よりも強い」とか、めっちゃ自慢をする。

 ある日、彼は自分の書斎に案内して、「冒険譚」を見せてくる。それには、当時の勇者を主人公として、魔族や神々と立ち向かう姿が描かれた。僕はそれを読んで、冒険者になろうと決心した。その日をきっかけに、僕は木を掘り、剣を作った。毎日、それを素振りをしている。

「今日も頑張ってるね」

 母のその一言が嬉しい。

「うん!父みたいな冒険者になりたいから、まだ行うね」

「そう?なら、気をつけてね」

 母親の家に帰っていく背を見て、手を振った。

 夕刻になるまで素振りをした。

 毎日それを繰り返し、数年後、が家に届いた。

 それには、【冒険者になりたい君へ】と表題にかかれていた。読んでいくと、冒険者になるための試験についてのことが記されていた。あと、冒険者ギルドの人が明日、僕を迎えにくると記されていた。僕は、嬉しさのあまり親にそれを見せた。父は満面の笑みで喜んでくれた。だが、母は、どこか寂しそうな顔をした。大丈夫?と声をかけてみると、反応はない。翌日、村を出ることにした。

 家の呼び鈴が鳴ったので、玄関を開けると男女4人がきていた。異国の侍のように剣を腰に装備している男性、金属でつくられた魔法の杖を装備している女性、いかにも重そうな大きい盾を装備している女性、全身白で統一された男性。そんな彼らがやってくる。


「母、父、行ってきます」

 両親は子供の旅立っていく背中にがんばれーとは言わず、子供に向けて手を振った。まだ、母の顔は寂しそうだった。

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