1-5.次はどこに行く?
港にあるケンのお店に行って様子を確認した後にレストランで昼食にしたんだ。リオは朝抜きだったからそれはもうたらふく食べて、店の人や他のお客さんからも注目の的になってしまっていたね。
その後は商店街があったので、立ち寄っていろいろ買い込んだんだ。ここでもフーちゃんが大暴れしたんだよ···。
「おばさーん!このフルーツってはじめてみたんだけど、おいしいの~?」
「おや?かわいいお嬢ちゃんだね。これはこの大陸で有名な果物なんだよ。名前は···、いかんねぇ~。歳で忘れてしまったけど、おいしいのは間違いないよ」
「じゃあ、これぜんぶちょうだい!ママのおみせでつかうからたくさんいるの~!あとこっちのおいもさんもぜんぶ!8まんジールでたりる~?」
「そんなに買うのかい!?そうだね~、まけて8万ジールでいいよ」
「ありがと~!りょーしゅーしょもおねがい!ママのみせのしいれなの〜。じーじ!これぜんぶおねがい~!フーはつぎのみせにとっか~ん!」
そんな感じで次々と商店街の食材を買いあさっていったんだ···。ボクはまるでデートで彼女がたらふく買い物して荷物持ちされてるような感覚で無限収納カバンに商品を入れていったよ。っていうかフーちゃん?
さすがに商談だからお店で店員やってる時のような分身は使ってないね。決済するスマホは1台だけだしね。それに分身して買い物されたらボクが追い付かないよ···。
一方のモンドくんは武器屋さんで武器をジーッと見ていたよ。
「なあなあ、おっちゃん!これってなんのぶきだ〜?」
「おっ!?ボウズ、これはな、スリングっていう投石機さ。ここに石を入れてブンブンぶん回してから投げるってヤツさ。魔法が使えない人が長距離攻撃するためのものなんだよ」
「へぇ~!はじめてみたぜ!」
「ボウズは何の武器を使ってるんだ?」
「おれ?おれはけんとやりだな!
「そうかい!ちゃんと手入れしておくんだぞ?」
「おう!ありがとな〜!」
ルメちゃんとアトラちゃんはリオと一緒にお菓子を買いあさっていたよ。
「リオじーじ!あたしこれがほしい〜!」
「リオじーちゃん!あたいはこれがほしい〜」
「おうっ!二人ともたっくさん買っとけー!」
「ちょっとアンタ!孫を甘やかし過ぎよ!リナとケンに怒られるわよ!」
「まーまー、ナナ。そう言うなよー。ここから先でお菓子が手に入らなかったら辛いだろー?余ったら帰ってからみんなに配ればいいんだからなー!」
「はぁ〜〜、あたしは注意したからね!」
リオは孫に甘いってナナに叱られてるけどしょうがないよね。ボクだってモンドくんとフーちゃんには甘いと思ってるけど、ちゃんと自制してるからね。フユとナツに怒られちゃうしね。
さて、買い物を終えてホテルに戻ってきたボクたちは部屋でのんびり休憩してからレストランで夕食にした。
そして、次の目的地について打ち合わせることにしたんだ。
このウェーバー大陸は東西にかなり広い。元の世界で言えばアメリカ大陸みたいな感じかな?時差も複数あり、ここは東海岸時間ということだ。
国はたくさんあるけど、今いるマグの街があるのはサバール王国と言うんだ。首都のビオはここから西へ行った内陸の大きな湖のそばにあるようだね。他にはテスラ共和国、マクス帝国が代表的で、他にも小国がたくさんあるみたいだね。
ただ、ボクたちがいたボルタニア大陸ほど文明は進んでいないようだ。そのためにムーオはこの大陸についてはもともと眼中になかったみたいだから、被害を免れていたようだ。ここマグはボルタニア大陸と交易があるのでそれなりに発展はしてる方のようだね。
「じゃあ、まずはこの国の首都であるビオに向かうってことでいいかな?」
「おう!せっかく来たんだから首都ぐらいは見たいぞー!」
「そうね〜。うちのケンも支店を出すかもしれないし、下見には良さそうね〜。そうそう、ハル?街道には何かいそうだったかしら?」
「···目ぼしいのは特にいないね」
「えー!?むしゃしゅぎょうしにきたのにいないのかぁ〜」
「モンドくん、フーもがっかりだけどあんぜんだいいちだよ!」
「でてもあたしたちでなんとかするわよ〜」
「あたいもこのまえみたおはなしのしんひっさつわざをためしたいぞ〜」
子どもたちは魔獣退治をやる気満々だね。今回の旅でもボクたちは手出しをせずに子どもたちに任せる予定だよ。
「じゃあ、目的地はビオっていう事で。明日もマグでゆっくりして時差ボケを調整しようね。明後日出発ということで、明日はのんびりしようね〜」
「「「「おーー!!」」」」
グロー歴523年8月4日 曇
おはよう!ただいま午前6時半。時差ボケ修正は完了したよ〜。
孫たちも起きて顔を洗ってるよ。もう大丈夫だね!
さて、残るはあと一人だ。
「ぐおー、ぐおー。すぴー、すぴー。んーー···ムニャムニャ···」
いつも通りリオは今日も通常のお寝坊さんだね。今日は床で寝ていたよ···。
「アキじーちゃん?リオじーちゃんはどんな手でおこしてたんだ〜?」
「アトラちゃん。それはね、ナナが持っている『リオの取扱説明書』に書いてる方法なんだよ」
「あとは皇国のサキちゃんが荒っぽかったわね〜。アキ?今日はアトラにその方法で起こしてもらいましょ」
「ナナ···、ホントにいいんだね?」
「ええ!遠慮なくどうぞどうぞ!アトラ、やっておしまいなさい」
「おうっ!まほうなしのヨワヨワらいだーきーーっく!!」
アトラちゃんは大きく飛び上がって···、そのまま両足でリオのみぞおちを踏みつけた!!
「ゲボォッ!?ガハッ!ガハッ!はあっ!はあっ!ぐぅぅ~~!な、なんだーー!?魔獣の襲撃かー!?」
「おはよ!リオじーちゃん!あたいのいちげきでいっぱつでめがさめちゃったな!」
「アトラーー!!こんな起こし方は禁止ーー!!」
「アンタね?じゃあどんな起こし方なら起きるのよ!?アトラに当たるのは筋違いよ!!」
「暴力的なのはダメに決まってるだろーー!?もっと優しく起こしてほしいぞーー!」
「はぁ~···、アンタね?暴力的でない起こし方で起きたことないのにそれを今さら言うわけ?あたしだってこんな荒っぽいことを孫にさせたくないわよ!教育に悪いのは承知の上で『仕方なく』やってるのよ!わかる!?」
「お、おう···。そうだよなー。どうやったら気持ちよく起きれるんだろうなー。昔買った目覚まし時計は壊しちゃったしなー」
「それがわかったら苦労しないわよ···。さあ、朝食食べに行くわよ!さっさと準備なさい!」
う〜ん···。それがわかったらエーレタニア最大の発見になるだろうなぁ〜。
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