モニカとおともだち、なかよくできるかな? ~幼女は今日も元気です! 大人の世界はマジでワチャワチャも幼女は溺愛されて暴走もかわいく、結果的にみんなが幸せになる件について~
歩
オープニング 王城の庭
OP-1 モニカとおてがみ
とある王国の、
「モニカでつ! 5たいなのでつ! むふん!!」
ごあいさつ、よくできました。
ドヤ顔がまたかわいらしい。
みなを笑顔にする、ちっちゃな姫さまである。
モニカはまだ国民へお
王城の
「ケルス! ケルス! ここがいいのでつ!」
お気に入りの
お
ケルスはモニカを乗せられるくらい大きなわんこである。白い
風が心地よく、モニカの、ケルスの、
さやさやと木の葉が揺れてハーモニーを
モニカの
「あ、うさたん!」
ぴょこんと出てきたうさぎに、モニカはすぐ顔を輝かせた。
バネ仕掛けのように飛び出し、駆けて。
「にゃあぁっ!」
泣かない。
強い子である。
「キャハハハッ!」
泣くよりも大きく笑えば、うさぎはびっくりして逃げていってしまった。
「うさたん? どこいきまちた?」
キョロキョロうろうろのモニカに仕方ないなあとばかりにのっそりケルスがやってきた。
「ケルス! ケルスッ! うさたん、いまちた! かくれんぼしまちた!」
おひさまに負けない元気良さで、また駆けていく。
ケルスのため息が聞こえてきそうである。
いつもやんちゃに駆け回るから、きれいなドレスも、整えられた
「キャハハハッ!」
転んでも、汚れても、いつでも花咲くような笑顔である。
ひとしきり駆けて満足したら、また木陰に戻ってきた。
放り出されていた何かをケルスが鼻先でつつく。
「そうでちた! きょうはえほんをよむのでちた!」
ケルスをふかふかのソファー代わりにして、モニカは絵本を手に取った。
モニカのそばに小鳥たちが舞いおりる。
「ことりたん? いっしょにえほんよみまちょう!」
モニカの声に小鳥は首をかしげた。
モニカも
「キャハハハ」
モニカがはじけるように笑うと、小鳥たちはさえずりで
王国は今日も平和である。
「くまのぉルゥたん。も、もりのおともだちとぉハチミチゅ」
モニカはまるで小鳥たちに
今日はモニカが大好きな「くまのルゥたん」シリーズの、その最新刊が出たのであった。ワクワクが
「ルゥたんはぁ、もりで、ハチミチゅを、みつけ、まちた。
おーい、みんな、ハチミチゅがあるよ!
ルゥたんはぁ、ひとりじめにせずぅ、おともだちをよぶの、でつぅ」
熱心に絵本の世界に入り込むモニカ。
ケルスはモニカのたどたどしい
風がそよいだ。
ケルスの
耳も立つ。
小鳥たちはさえずりをやめた。
ざわめきのような
モニカは気づいていない。
「あぶないよ!
はちたんたちに、おこられるよ! ……」
モニカの朗読を大きな
「うにゃ?」
モニカが顔を上げると、昼間の明るさには不釣り合いな真っ黒の鳥が一羽。
ツバメほどの大きさだが、小鳥たちは
「とりたん! とりたん!」
モニカには
遊びにきたお友だちを
小鳥たちは
ケルスはシェードのように垂れ下がる毛の奥で目を光らせていた。
「なんでつか?」
黒い鳥は妙なことを始めた。地面に降り立つと、自分の足に
「なんでつ? なんでつか?」
モニカはこてんと首をかしげて黒い鳥に問いかけるも、鳥は
「ばいばい!」
元気に手を振り、鳥を見送るモニカは知らない。
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