デザートにラブストーリーは如何ですか?
揺月モエ
第1話 塩分多め塩キャラメルコーヒーゼリー
いつも見かける女の子。
その子は常に痛い格好をしている。
よく言う『地雷女』だ。
人々からは白い目で見られる彼女。
その彼女に俺は恋をした。
今日も彼女は街にいた。
で当の俺は話しかけられない。
何故かって?
俺は女子と話したことは数えられる程度だ。
そんな俺だから、話しかけ方なんて分かるはずない。
…今日も見るだけで終わるのか…
「あの…すいません」
「え?」
俺は固まってしまった。
彼女が俺に話しかけている。
「な、なんでしょう?」
「これ、落としましたよ」
差し伸べられた彼女の手には俺のハンカチ。
うっ…恥ずかしい…
「たまにこういう事ありますよね、私もよくやりますよ」
と微笑む彼女。
て、天使…!
てか、話してみたら、大人しめないい子やん!
性格が地雷女じゃなくてこれはこれで良し!
「…マジ可愛い」
「え?」
やべ、口に出してしまった…絶対引かれる…
「嬉しいです!ありがとうございます!」
「え?引いてないの?」
「告白だったら引いてますけど、今のって褒め言葉ですよね?」
「…う、うん」
「なら嬉しいですよ!私、すきぴが2次元で、会えないのは知ってるけどすきぴを想いながらの自分磨きが楽しくって…だから私、今の言葉で自分は可愛くなれてるんだって」
と嬉しそうに話す彼女。
『すきぴ』
この言葉が頭をぐるぐるする。
そうだよね…知ってた。
苦くて、しょっぱい。
そんな味が口の中に広がる気がした。
これが失恋なのかな。
今まで感じたことのない感情。
でも、彼女を憎いとは思ってない。
2次元の彼の為に切磋琢磨する彼女は美しい。
そう感じた。
俺も彼女みたいに頑張ろう。
そう思えたのだ。
デザートにラブストーリーは如何ですか? 揺月モエ @nakamoe0429
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