第7詩 陽炎を歩く

 陽炎のなか二人歩く

 朝の九時でもう暑い


 蝉の声 クルマのフロントガラスに光が跳ねる

 居座る高気圧のせいで 連日熱帯夜

 ドヤ顔でのさばる夏


 太陽は 朝早くから起きちゃって夜は宵っ張り

 さっさと沈めよ


 お日様が全ての恵みの源だとしてもありがた迷惑

 灼熱に意識は混濁 脳みそ溶けそう


 ゆるやかな坂道 脇に咲き乱れる夏の花

 坂の上の逃げ水


 アスファルトにできた偽の水鏡は

 歩くたび遠ざかる









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雨森くんが福乃と富山の産業展示館へ向かう途中に詠む詩です。

雨森的には、こういう詩を日々徒然に創作する丁寧スローライフらしを望んでいるのですが。

小説の中で詩を創って、こうやって詩だけ抜き出してみると、やはりいろいろ気にかかるところが出てきて推敲しちゃいます。それがうまくいっている気がしないのが悩ましい。詩の方法論を自分のなかで確立できてないからでしょうか、ほんと何度も直しちゃうんですよね。やっぱり元の方が良かったんじゃないかと後悔したり。

まあ作者の思いはさておき、主人公の雨森は詩を創れて満足なのです。隣に可愛い女子もいるし。

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