第10話 ただの見物ですよ
「すげえ! コアだけ
「ち、
「あ……、ご、ゴメン!」
犬上くんはあわててわたしをおろしてくれた。
ジリリリリリリ!
まもなく、
「この
「大丈夫だろ。
犬上くんが
いろんなことができるってのは
たとえば
「おもしろい! まるで
「こんばんは! コウモリさん、オオカミくん」
――シュナイダー
「今日もずっと、見てたよな。あんた。なんのつもりだよ!?」
犬上くんが
「ただの
「は!? オレはアンタの
「ええ、〝
「くっ!」
犬上くんがそっぽを
「クオリアを使うのに、『
シュナイダー先生は、わたしに向かってほほ笑んだ。
「今日も
ひどい。
ほほ笑んでおいて、この言い方。
わたしは口の
「ずいぶんなこと言うな先生! こいつはこいつで
犬上くんがぶっきらぼうに言った。
「だいたいなんで、
「ふ。コウモリさんの
「む!?」
犬上くんはもっとそっぽを向いた。
わたしは、
「わかりました〝先生〟。じゃあ、教えてください! 上手なやり方を!」
「え?」
先生が
「わからないことがあったら、教えてくれるんですよね。なんでも」
わたしは、今日の
「ははは、それ、今日も
犬上くんが笑って言った。
しまった!
先生の言葉、
わたしは
こちらを見た先生の口の端が、笑っている。
「どこでもは言ってませんよ。大事な教え子がいるところだけです」
せ、先生、言い
バ、バレたらどうするんですか!?
「わかりました。
先生はそう言ってわたしを
「まずはその翼を
わたしは先生の言う
――翼は
「コウモリの翼なら
「わたしに合った飛び方?」
「そうです。トリもコウモリも、そして
「翼の形?」
「簡単に言うと〝
「えっ?」
それって、つまり、逃げるのに
「
――そうか!
「私の翼もどちらかというと広くて短い方ですが、あなたほど
言うが早いが先生は、縞模様の
あっという
あぶないっ! わたしは翼を
「ひゃああああっ!」
体をよじって、
「よくかわしました!
先生が
わたしは
先生が急降下してくるの、
もっと
次の
いきなりこんな近くに!?
体をよじる。先生の
ひい――っ!
まっすぐ飛んじゃダメだ!
かわし、かわし、かわして、かわす!
つかまえにくいチョウチョみたいに、
「その
と――体をひるがえした時。
屋根の上に
「おっと。よそ見はいけませんよ!」
先生が
「集中が
「す、すみません!」
「まあ、
先生がにっこり笑った。
あれで本気じゃないの!? もっと、もっと頑張らなきゃ。
「先生! オレ、そろそろ
屋根の上で犬上くんが手を
「気をつけて帰るんですよ!
昨日と
「ふん! こいつ、
〝
「頑張れよ! コウモリ!
そう、わたしも頑張る。
* *
すっかり
「
肩に
「おい、いい
ほっぺたをたたかれ、肩にかつがれていた
さっきの
「ボクは
どうやらもう、戦う気はないらしい。
「……よう! オッサン!」
「昨日からずっといるけど、あんた、なんなんだ!?
オオカミは、暗がりのこっちを向いて、にらんでいる。
「
便利屋・水尾流次は
「運転手? コウモリのか?」
「ああ。
今日、あの
だったら――
「
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