第85話 油断できないロリの罠


 放課後になって文化祭準備が始まると、やっと乃絵留と沙優はそれぞれの担当グループに分かれた。


 俺はいつも通り、家庭科室で料理担当グループを見ているのだが……。


「雪川さんなんで沙優ちゃんといたのー?」

「それそれ! 教えてよ!」

「学年中で話題になってたよー」


 乃絵留と沙優の話題で持ちきりとなってしまい、文化祭準備どころではなかった。


 まあ、そりゃこうなるか。


 一日二人を行動させてみて思ったのが、考えていた以上に周りがこの二人に関心を持っていたということ。


 確かに二人の容姿はズバ抜けているし、人気もあるが……まさか学年中で話題になるとは。


 常にポーカーフェイスで愛嬌がない乃絵留が、学級委員長の沙優と一緒にいる現象は物珍しいかもしれないが。


「皆さん……わたしと春原さんのことはいいから準備よ」


 珍しい……乃絵留がわざわざそんなことを言うなんて。


「そうですよ! みんな、沙優ちゃんがコスプレの方で頑張っているんですから、こっちもちゃんとやらなきゃです!」


 ロリの加勢もあって、やっと準備が進む。


「乃絵留、ありがとうな」

「別に……わたしは無駄な会話をしたくないだけよ」

「照れやがって」

「照れてないのだけど!」


 まあ、乃絵留のことだから本当に沙優との話題から離れたかったのかもしれないが。


「今日は好実がメニューの案を持ってきたんです! 土曜日に梶本くんと二人で考えた」

「え、ちょっと待って! このみん、梶本くんと休日に二人で会ってたのー?」

「きゃー! ラブラブじゃーん!」


 お、おいおいおい、なんでそうなる!


「ら、ラブラブというわけでは、えへへ」

「なんで照れてんだ! 否定しろ!」


 このロリ……っ! 本当に油断できないっ!

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