第25話 ギルドでの生配信 【掲示板】
ギルドマスターからの依頼を受けた次の日、俺たちは再びギルドを訪れていた。
受付カウンターに行くと、すぐに奥の部屋に通された。そこには動画撮影用のカメラが設置されており、ギルマスと受付嬢の由香里さんが待っていた。
「早速ですまないが、今日中に動画配信をしておきたくて準備させてもらった。基本的には由香里くんが話を進めるような内容になっているから、あまり緊張しないでくれ。それと、配信中は台本を見て貰っても大丈夫だ。」
「そうは言われても緊張するな…。それで、台本はどこにあるんだ?」
「これだ。基本的には、君たちには由香里くんの質問に答えてもらうことが多くなると思う。だから、簡単な自己紹介をしてもらった後に、そこに書かれている質問に答えてもらうことになるだろう。」
「それなら安心か。ちょっと見せてもらおう。」
そうして、しばらく大和達は台本を読みながら、相談しあっていた。
しばらくすると、カエデがギルマスに質問した。
「えーっと、本物のエルフなのか証明する部分って具体的な方法が書いていないんですけど、ルーシーちゃんか大和さんの耳を引っ張ってみるとかでもいいんですか?」
「そうだな。ステータスを見せるのは嫌だろうから、それくらいしか方法はないかもしれないな。」
「分かりました。それと、私たちのチャンネルのURLを概要欄とコメント欄に張り付けてもらってもいいですか?」
「もちろんだ。それも撮影の条件に入っていたからな。念のために確認しておくが、このチャンネルで間違いないか?」
「そうですね。これでお願いします。」
そうして、撮影内容の大体の内容を把握したところで、配信を始める準備が整い、ギルマスが声をかけた。
「それでは、そろそろ始めようか。」
「分かった。」『分かったわ。』
「それと、一応配信ということで、コメントも見れるようにこっちにモニターを用意しているぞ。」
『何だか文字がいっぱい流れているわね。』
「ルーシーちゃん。これは、配信を見ている人が感想を書いてくれいるんですよ。」
『へー。でも、わたし達まだ配信していないのよね?』
「ええ、まだですよ。今コメントしている人たちは、配信が始まるのが待ち遠しい人たちですね。」
『なるほど。』
「それじゃあ、由香里くん、大和、ルーシーの嬢ちゃんの3人は各々の席についてくれ。」
「それじゃあ、はじめるぞ!」
ギルマスが始まりの合図をすると配信が始まった。
:おっ、始まった?
:久しぶりの配信じゃん
:受付嬢さんだ
:由香里さーん!
:今回はクルミちゃんじゃないのか
「皆さんこんばんは。探索者ギルド職員の安井由香里です。今回は、ギルドのHPで発表した内容に関する配信です。そして、今回はゲストのお2人に来ていただいてます。」
「はじめまして。探索者の大和です。」
『同じく、探索者のルーシーです。』
俺たちは、よそ行きの口調に変えて、簡単に名乗った。
:めっちゃ可愛い。
:【速報】ついにエルフちゃん達の名前判明する。
:もしかして、最近話題のエルフちゃん達?
:待ってましたー!
:可愛いけど、エルフってどういうこと?
:ついに声が聞けた…。想像以上に可愛い。
想像以上に俺たちのことを知っている視聴者が多いようだ。
「もうご存じの方もいるかもしれませんが、お2人はダンジョンの事故で…。 」
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「…と、言う訳で、もう一度お伝えしますが、大変危険で再現性がない事故ですので、くれぐれもダンジョン探索の際は自分からトラップなどにかかりにいかないように注意してください。」
:はーい。
:了解。
:しかし、エルフちゃん2人が新スキル持ちとはね。
:そういえば、本当に耳はつけ耳じゃないの?
「つけ耳ではありません。そういえば、大和さんの耳を触ってもいいんでしたっけ?」
「…。少しだけなら引っ張っても大丈夫ですよ。」
:由香里さんうらやましい…。
:私も触りたい…。
:いけー、由香里さん!
「で、では、ちょっとだけ引っ張ってみますね。 えい!」
「ひゃ!?」
身構えてはいたが、由香里さんが思ったより強く引っ張ったため声が出てしまった。
「す、すみません。だ、大丈夫ですか…?」
「だ、大丈夫です…。」
:エルフは耳が弱点…っと
:メモメモ
:クールな見た目からこのギャップ…。たまらん。
「そ、それではこれで本物のエルフだと分かってもらえたかと思いますので、次はダンジョンの最高到達階層の更新について…。」
:あっ、話題変えた。
:次はルーシーちゃんの耳も~
:50層突破したんだっけ?
:すでに突破してたといった方が正しいけどな。
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【掲示板】
189:名前:名も無き探索者
【朗報】ダークエルフちゃんとロリエルフちゃんの名前判明。
190:名前:名も無き探索者
ヤマトちゃんとルーシーちゃんか。
191:名前:名も無き探索者
ヤマトちゃんって男っぽい名前だけど、意外と似合ってるな。
192:名前:名も無き探索者
それよりも、ヤバいこと言ってない?2人とも新スキル持ち?
193:名前:名も無き探索者
せやな。
194:名前:名も無き探索者
まさか、50階層の翼獅子も本当に倒してたとは…。
195:名前:名も無き探索者
50層どころじゃないんだよなぁ…。60層前半くらいまで言ってるんじゃないかって言われてる。
196:名前:名も無き探索者
ってことは、ヤマトちゃんとルーシーたんは、世界最強の探索者ってこと?
197:名前:名も無き探索者
>>197
それは、分からん。少なくとも日本一は間違いないと思うが。
198:名前:名も無き探索者
まあ、他の国のダンジョンとは正確に比べるのは難しいからな。
199:名前:名も無き探索者
でも、60階層前半か~。ついにここまで来たかって感じ。
200:名前:名も無き探索者
今まで、高階層の映像なんか見たことなかったから、ワクワクした。
201:名前:名も無き探索者
でもさ、ダンジョンって何階層まであるんだろ。
202:名前:名も無き探索者
きりが良ければ、100階層までじゃない?
203:名前:名も無き探索者
>>202
それは、いろんなところで議論されてるけど全然分からんな。
204:名前:名も無き探索者
もし、ダンジョンの最奥まで到達したとして、何があるんやろか?
205:名前:名も無き探索者
ダンジョンコアがあって、どんな願いでもかなえてくれるとか?
206:名前:名も無き探索者
>>205
そこは、ダンジョンマスターとか女神様とかじゃね?
207:名前:名も無き探索者
俺もエルフ耳触りてーよ…。
208:名前:名も無き探索者
やっぱり耳が弱点なんやなw
209:名前:名も無き探索者
すげー。ギルドのHP見ただけだと全然実感わかなかったけど、これが本物のエルフか…。
210:名前:名も無き探索者
2人ともめっちゃスタイルいいよな。人間離れしてるっつーか…。
211:名前:名も無き探索者
オレ明日ダンジョン周辺街に行ってくるわ。飛行機の予約とった。
212:名前:名も無き探索者
>>211
うらやま。ちなみに何県から?
213:名前:名も無き探索者
>>212
北海道からやで。有給もとったし、今から会いに行くからな。待っててくれよ。
214:名前:名も無き探索者
ダンジョンって大阪にあるんだっけ?
北海道ニキ、気合入ってんな。
215:名前:名も無き探索者
いいなー。ワイは明日も東京でお仕事や…。エルフちゃんに大阪に会いに行けるのはいつになるか…。
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