私の名前はミヤです

「ミヤコ、大切な話をしておきます」

「は、はい!」

「今、ミヤコの身体は神界にあるため魔力過多症の症状は出ていませんが、地上に降りた瞬間に自身の魔力に苦しむ事になります」

「はい…」


リューエデュンが言うには、高熱、めまい、耳鳴り、動悸、頻脈、血圧低下、手足のしびれ、手足の麻痺、呼吸困難、などなど…。


「しょ、しょれはもう、うごけにゃいんじゃ…(そ、それはもう、動けないんじゃ…)」


地球で生きていた頃にそれら全てを患っていた京子には分かるのだ。大量の投薬と気管挿管で呼吸をしていた京子は知っている。


「いいえ。ミヤコに加護を与えました」

「かぎょ?(加護?)」

「はい。『身体強化』と言うスキルが使えます。地上に降りたらそのスキルを使ってください。それで肺と心臓を強化できるので呼吸は確保できます」

「おぉ…!」

「身体強化のスキルは使えば使うほど上達します。あとはミヤコ次第です。上手く使いこなしてくださいね」

「あい!」

「加護には他のスキルもありますが…、ごめんなさい、そろそろ本当に時間がっ、あ! 『鑑定』を! 自分に鑑定をかけてくださいっ! 自分になにが出来るか確認をっ」


時間がないらしい。

リューエデュンがふわふわの身体をあわあわと揺らし始めた。



「リューエデュンの、服を! 京子に服と例の鞄をっ」と慌てる宇宙神。落ち着いた雰囲気ばかりだった神々が慌てる姿はなんだか可愛いらしい。


「リューエデュン様! ミヤコの名前はどうしますか!?」と慌てる神獣フェンリル。京子のままではダメなんだろうか。


「ミヤ! ミヤコの名前はミヤだ!」と言い出す古龍神。

それは安直過ぎませんか!?






「ミヤ! ミヤコ、貴女の名前は『ミヤ』です! ミヤはこの世界で『希望』を意味しますっ!」






「「「「ミヤ!!」」」」






はい! 今日から私の名前は希望ミヤです!

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