第15話

「あははっ!ウソです、冗談です。なんだ、先輩ちゃんとリアクションするじゃないですか」



「え?」



「じゃあ、お弁当作ってきてくれません?一回でいいんで!僕、料理できないんで…」



「えぇ?」



え、しか言葉を発することが出来ない生き物みたいになった夢は、展開についていくのがやっとだった。



「ダメですか?ダメなら仕方ないですね、小野寺先輩が坂口先輩のことつけてたってバラそうそうしよう…」



「まっ、待って!」



返答を待たずに自己完結しようとする奈月を呼び止め、夢はこっそり息を吐く。



「わかりました……あの、私のでよければ明日、持ってきます…」

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