第14話

「あっ、もしかして坂口先輩のこと追っかけてました!?」



見当違いなことを言われ、瞬間我に返る。



「ちっ、違います!」



「え?そうなんですか?じゃあ、覗いてたことは内緒にしときますね」



奈月は人指し指を立てて自身の唇に当てた。



「あ、ありがとうございます…」



「それじゃあ交換条件。」



「え」



今度はその指を夢の前に突き出す。



「僕の彼女に、なってくれません?」



満面の笑みを浮かべる奈月に、固まる夢。



「え、えぇぇえ!?」



何を言われたか理解すると、驚きのあまり本日2回目の変な声をあげてしまった。

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