第2話

「やっさし。」

アキラの言葉にヒビキはため息をついた。そして、ナイフを弄っている凪に

「このグズ。美奈子寝取るぞ。」

と、睨み付けた。凪も「はぁっ?!」とヒビキを睨みつける。

「手ぇ、出されたくないなら、気に止めろ。このマヌケ。」

ハンッ!とヒビキが笑うと凪は奥歯を噛み締め、顔を真っ赤にして走り去った。

「ヒーコ…お前って…いいヤツだよな。マジで」

「別に…。あーゆーのムカつくだけ。見てないくせにこっちがフォローかけると怒ってくるヤツ…ウザいし。お前みたいに、気づくまで待ってらんねぇーの。」

ヒビキの言葉にアキラは「ハハハ!俺が1番性悪だったかな?」と笑う。

「ははは。それは俺もだし」

ケンの言葉にヒビキは肩を竦める。

「お前は、見守ってるんだよな」

「あぁー…そう思ってくれてるのかー。光栄だよ…」

ニッコリ曇りのない笑顔でケンは笑って見せた。

「凪って、ホント…ちょーっとだけ抜けてるのよね…美奈子ちゃんの事、大事にしてると思うんだけどね~。」

チカが彼の弄くっていた多種多様のナイフが置かれているところを覗き見ている。こんなにぐちゃぐちゃにして~…でも、直さない☆面倒だから☆

「なんていうかー…ヒビキの方が慣れすぎてない? それに、なにより影で言い合ってるアンタ等が一番性格悪い…。」

ヒロの言葉にキョトン…として「違いねぇ!」と笑い出す。そして、「あー…、そうだ。」と思い出したように豆電球の光がほとんど届かない位置に立っている人物にヒビキは話を振った。

「どーよ。レイ? 約束どおりだろ?」

その言葉に彼は大砲のようにゆっくり首を回し、彼を見…

「そうだな…」

と呟いた。

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