せっかく異能力が存在するので最強目指そうと思います
@tatibanamikage
第1話 氷の楔
この世界には「異能力」と呼ばれる
特別な力が存在する。
「強者」と呼ばれるほどの実力者だった。
だがしかし、到達出来ぬ高みがあった―
"最強"という存在である。
これはそんな最強へ至るまでの物語
―――――――――――――――――――――――
「ねぇ、あの制服!」
「……よく見たらあの人って!」
「え!?一之瀬零!」
「え、え、本物!?」
(よく目立つなぁ)
俺が有名人というのは理解している。
自意識過剰という訳ではなく、事実であるからだ
それに今身に付けているのは
東の名門
目立たない方がおかしいだろう。
(悪い気はしないけど)
「顔がだらしない」
「愛花さん暴言やめてください」
「事実だから仕方ないのよ」
「相変わらず辛辣なこった」
そして、隣を歩く女子は幼なじみの
(俺と違って有名じゃねぇけどな!)
「絶対失礼なこと考えたでしょ」
「ソンナコトナイヨ」
(なんで分かるんだよエスパーかこいつ)
愛花の異能力は心を読む力は一切関係ない
だから、今のはただの勘……女の子って怖いね!
「てか、遅刻しそうなんだけど」
「なんでやろね」
「どっかの誰かさんが遅れて来たからじゃない?」
「返す言葉がございません……!」
集合予定より遅れて行ったせいで
電車逃しましたてへぺろ
「死にたいの?」
「俺はあと30年は生きるんだ」
「もっと生きなさいよ……」
まったく死んで欲しいのか、生きて欲しいのか……
「愛花ちゃんは我儘やn……」
―刹那、隣のビルが破壊され、爆発音が轟く
「……いいご挨拶だな」
倒壊するビルを横目にそんなことを呟く。
異能力を悪用した犯罪者……
「避難誘導はしとくわ」
愛花は冷静に呟く。
異能力を活用し、発展させた者が居るように
異能力を悪用し、破壊する者も居る。
「きゃぁぁぁ!」
「に、逃げろ!」
「ちょっ!押すなって!」
そんな者は人々に害しか及ぼさない。
「大丈夫です!少し離れててください!」
俺が声を張り上げると
市民の表情は安堵に変わっていく。
「じゃ、任せたわよ」
そんな者に何も奪わせる訳にはいかない
だから、俺が、俺達が居る
「おう、任せとけ〜?」
『異能力 氷の楔』
異能力を発動した瞬間、
崩れ落ちるはずの瓦礫すら、宙で凍りつき、
氷の鎖となって建物を固定する。
「テメェが一之瀬 零か!会えて嬉しいぜェ!」
だが、一部の氷は爆発し、男の声が響く。
(……単独犯、かな)
確認出来た男以外に気配は感じられない。
「俺は1ミリも嬉しくないが」
『異能力 爆発の光』
「楽しもうぜぇ!」
爆発を利用したことによる加速……
一気に距離を詰められる。
(まぁ、相手が俺じゃなかったらだけど)
「俺に近ずけると思うなよ」
氷の壁を展開し、男の進路を妨げる。
「こんなんで防げるとでもぉぉ!」
「いちいち声がデケェんだよ」
氷の壁を破壊しようと光を放つが、
「っ!」
破壊できない。
それどころか、ヒビすらはいっていなかった。
「かったりぃんだよ!やり合おうぜェェ!」
「じゃあ、遠慮なく」
防御するのでなく、攻撃に転じていく。
手を掲げるたびに氷の刃が次々と発生し、
男に向かって放たれる。
「こんなもん……!」
男が歯を食いしばり、氷を爆発させようとするが、
「もう、終わりだよ」
俺がそんな言葉を告げた頃には
男は氷像のように凍り付いており、
―氷の楔が、戦いに終焉を告げていた。
(……俺、めっちゃ強キャラっぽい!)
そんなことを思いながら、再び歩き出すのだった
「遅刻確定よ」
「あ、やべ」
※ちなみに全力で走ったら間に合った。
せっかく異能力が存在するので最強目指そうと思います @tatibanamikage
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