第74話「温泉と言えば卓球!」
「ほ、星音くん、怒ってます?」
「え〜? 何の事ですかぁ? 男の娘のスク水脱がして野生の猿に渡したエッチなシロルちゃんに僕の気持ちが分かるのですかぁ?」
あ、あぅ、星音くん、すっごい怒ってる。
ワタクシは、水無月家の皆様と仲良くなって、浴衣を着て卓球場に来ていた。
パンダちゃんとシャムちゃんが元気に卓球を楽しんでいると、ワタクシの隣で月音さんが、酷く落ち込んでいた。
「シロルちゃんと言ったっけ? 星音と同い年だから、私と一つ歳が下なのは分かるしぃ? 私が年長者なのは分かるけど……マジでどうやって、そこまでに大いなる胸を手にしたの?」
「つ、月音さん! 胸の大小に囚われてはいけません! 月音さんの胸は……とても慎ましくて可愛いと思います!」
すると、月音さんと星音くんが同時に立ち上がった。
え? え?
「シロルちゃん、お主は我が
「同感だよ、お姉ちゃん。こんないやらしい変態には鉄槌を下さねば」
♡♤♧♢
そして、ワタクシは卓球で月音さんと星音くんと対決する事になった。
しかも二対一で。
……本当にごめんなさい!!
「月音さん、星音くん、今から土下座するので許してください!」
「許さぬ! 成敗!」
星音くんからの豪速球が飛んで来た。
卓球じゃなくて野球じゃないですかぁぁ!!
「え、ええい!」
ワタクシは、何とかギリギリで豪速球を返したら、月音さんが、何やら呪文らしきものを唱えていた。
「巨乳滅ぶべし巨乳滅ぶべし巨乳滅ぶべしこの世から貧富の差なんて消えてしまえ不平等な世界なんて消えてしまえ」
ーー水無月家奥義『
なんか変な技が発動したぁ!?
また豪速球が飛んで来たが、ぎゃー!? なんか怨念みたいなオーラをまとってる!?
ワタクシは何とか返したのですが、その後も水無月家の姉弟からの豪速球が何度も飛んで来た。
♡♤♧♢
「シロルとか言ったか? お前、卓球上手いな! 私ともやってくれ!」
「あ、あは、は、パンダちゃん、ワタクシは、その、疲れたので、休みます」
ワタクシはフラフラな足取りで旅館の個室に戻ると、座り込んで頭を抱えていた。
星音くんに、また嫌われたー! 本当は仲良くなりたいのにー!
星音くんの事は出会う前から好きだったのにー!
どうやったらワタクシは星音くんと仲良くできますのー!?
「ふ、お困りのようだね、お嬢さん」
「え?」
ワタクシが窓の方を見ると、窓から顔の右半分だけ隠れた仮面を付けた少年の姿のファントム様が吸血鬼のような格好でマントをなびかせながら立っていた。
「ファントム様!? なんでここに!?」
「いやなに、アザラシからの情報で、この温泉街に星音くん達が来てると聞いたので来たのだよ。しかし、君は相変わらず素直じゃない娘だねぇ」
「ふ、ふぇぇぇん! ファントム様ぁ! どうやらったら星音くんと仲良くなれますかぁ!?」
「ふふふ、良かろう、年寄りであるワタシが迷える娘さんに恋愛テクニックを伝授してやろう!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます