第24話

「ほら、そーゆーとこ」


「もう!からかわないでよ!」


「思ったまんまを言っただけだよ」



瞬はドアに手を掛け「やべ、親父も起きてきたっぽい」と下の声に気付く。


「それじゃ、また後でな」



内心、"後で"という響きも悪くはないと思った。


この家だからこそ使える言葉。


「うん、また後で」


だから私も繰り返した。




パタンと閉まるドア。



「あー!やっと出てきた!」


優子さんの「ナニしてたのー?」と、ドアの向こうからからかう声。


「なんもしてねーよ!」


「うっそだー!」


「あー!もう!うるせ!」


「瞬のスケベー」


「ほっとけ!」


「なになに!?瞬スケベな事したの!?」


「ハル君聞いてー瞬がねー」


「マジでうるせー!!黙ってろ!!」


「黙れとはなによ!!!」


「あ!!!さてはてめー菜緒ちゃんになんかしたな!?」


「匡哉も黙れ!!!」




ギャァギャァと騒がしい声を聞きながら私はひとり笑った。





完結

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番外編 ひとつ屋根の下で恋をした。 ヒョウ @peco-chan

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