1章
はじまりと意外
第1話
毎朝、電車に揺られながら窓からの景色を眺めることが私の習慣だ。
景色を眺めることは嫌いではない。むしろ好きな方かもしれない。
幼い頃、私は電車に乗る度に母に『雲さんが見えるよ!』と喜んでいたらしい。
そして今現在、21歳の私は雲を見て喜びはしないが、雲の形を食べ物にあててみたりして、電車の退屈な時間を過ごしている。
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