第3話 苦手



つよしは、みのりが苦手だった。

まっすぐ目を見てくるキラキラした瞳。丁寧にブローされたであろう髪は絶妙な栗色で、いかにもつよしとは正反対な”お嬢様感”があった。



つよしは、いつもそうだった。

自分とは対照的で、いわゆる”輝いて見える”人に対して苦手意識をもっていた。


なんだか、”怖い”。

自分とは違いすぎて、ある意味、得たいの知れない生物を前にしているような気持になる。




「これおすすめだけどどう?」

みのりの声で我に還るしは、みのりが苦手だった。

まっすぐ目を見てくるキラキラした瞳。丁寧にブローされたであろう髪は絶妙な栗色で、いかにもつよしとは正反対な”お嬢様感”があった。



つよしは、いつもそうだった。

自分とは対照的で、いわゆる”輝いて見える”人に対して苦手意識をもっていた。


なんだか、”怖い”。

自分とは違いすぎて、ある意味、得たいの知れない生物を前にしているような気持になる。




「これおすすめだけどどう?」

みのりの声で我に返る。


「あ.ありがとう、、、。」そう言って手渡された本の題名は英語綴りだった。


「え、、、?」


「これね、誰にも渡す本じゃないの。なんとなく、今直感でつよしくんに渡したいと思っちゃった。」


思っちゃったって、、、。



「、、、なんで俺?英語なんて後ろから数えた方が早いくらいの成績、、、」


と言いながら本を開いた瞬間、その一瞬にすべては起きた。



まばゆく光、めまぐるしくまわって遠ざかる図書室、お腹から背中にかけておされる引力、

何が起きたかわからない、ジェットコースターに乗ってるような感覚に抵抗する術もなく、驚く余裕もなかった。


”あぁ、やっぱり苦手だったあいつからの本なんて受け取らなければ、開かなければよかった、、、”

と思っているうちにつよしは深い闇の中へ引っ張られていった。








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