第10話

「ノアー♪ふふ」



俺と青山と勘違いしたハルカ君が後ろから俺を抱き締めに来た。



「こら!ノアちゃん嫌がってるだろ!」



ハク君の注意が入るけど俺は青山じゃない。俺のおしりを執拗に撫でるハルカ君にはいい加減ため息が出る。


この人は青山にいつもこんな事をしてるのか……。


お酒を飲むたびに、ノア、ノア、と青山の事ばかり口に出すハルカ君はなんだか可愛いくてちょっぴり可哀想。



「ハル」


「んー。なぁにノア」



すりすり。青山のふりをして名前を呼ぶと頬に頬を摺り寄せて来るハルカ君に鳥肌がたったけど俺はその髪をよしよしと撫でてあげた。



カイセイ君はクスッと笑を漏らしたのが分かった。




「ハル、心配だから飲み過ぎないでね」




青山のふりをして、飲み過ぎたハルカ君を可愛く諭す俺に、カイセイ君も優しく笑った。





















話はここで終われば最高だったんだけど…………。

















「ありがと、ノア。マジで大好き」



グイ。



顎を掴まれて顔を上げさせられる俺。


熱を帯びたハルカ君の瞳。


待って。嫌な予感。




「ほぇ?はへ!?ままま待ってハルカ君!違うよ俺は青山じゃなくてーー……む!?むぅぅ!?!?」




ハルカ君に押し倒されて超濃厚なディープキスをされた俺は、その後数週間、まともにハルカ君の顔を見て会話が出来なくなった。



(本人に記憶が無いってとこがシャク)

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