第4話

「なんかオウタロウさんに会うの久しぶりだなぁ」




久しぶりに俺の家に来たケイが、そんな事をポツリと呟いた。




『そーいえばオウタロウも"最近ケイちゃんに会ってない"とかほざいてたな』




他愛のない話しをしながら自分の家の庭にバイクで入って行くと、そこにはオウタロウの四駆の他に、見覚えのある車が停まっていた。

俺はその車を見た瞬間、眉間に深く皺を寄せた。




「お客さん?」




…アイツ、何にし来やがった?

何かが胸の中に沸々と沸き上がって来るのが分かる。




「…ナオ…?」




『あ、あぁ。』




ケイに肩を揺すられた俺はハッとして慌てて返事をした。俺は車からケイに視線を移すと、バイクから鍵を抜き取った。




『親父だ』




義理の、な。

そんな言葉を飲み込んだ俺はケイに分からない位小さな溜息をついた。




「き、緊張する。初対面」




『アイツは単身赴任で滅多に家にいねぇからな』




横でガッチガチに緊張してるケイ。




『余計な事言わなくていいからな』




俺はケイに釘を指すようにそんな言葉を吐き出していた。

キョトンとしてるケイに気付かない振りをして家に入った。

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