宗教、呪い、贄……。教主の妻に背負わされたものとは

  • ★★★ Excellent!!!

「新興宗教教主の妻」という、特殊な立場におかれた女性が主人公です。新興宗教と聞くと身構えてしまうところが少なからずありますが、こちらの団体はいたって健全。主人公も充実した日々を送っています。……今のところはね。ふふ。

 絶縁した姉、瑞穂の訃報を受けたことから、主人公珠希の身辺で異様な事象が起こり始めます。姉との確執が何らかの怪異を引き寄せているのか?
 一方で珠希の夫、新興宗教教主でもある有慈も、人格者ながらもそこはかとなく漂う怪しさを醸しているような……。でも信じたいんですよ。いい夫なんですもん。イケメンだし(?)。
 なにはともあれ、有慈の優しさと怪しさのバランスが絶妙で、続きが気になって読む手が止まらなくなります。ご注意くださいね。

 予想の裏の裏をあっさりかかれていく感じ、これがもうやみつき!人死に等もあるので好みの分かれる部分かと思いますが、そこはほらまあホラーですから。このジャンルに馴染みが無かったホラー初心者の私に、その面白さを突きつけてくれたイチ推しの作家さんでもあります。
 最後の最後まで予想を覆され、全く気の抜けなかった高揚感とこの興奮。ぜひ多くの方に味わっていただきたいです。

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