第10話

「警察内部には俺の部下もいるんだ。

そいつ経由で脱出路を確保、脱走した」


「だ、脱走って、…」


「何も難しいことじゃない。

秋人の目さえ誤魔化せればいい。

だから、あいつにはしばらく出張に行ってもらったんだ」



出張…。

貴都はそんなこと言ってなかった。

もしかして、早めに切り上げて帰ってこようとしてくれていたのかもしれない。


でも、用意周到に。

警察内部に仲間がいるなんて…。



「今日流舞ちゃん攫ってくる予定だったのは変わらねぇし、そろそろ合流しようと思ってたところで慌てたような声が聞こえて。

声に向かって歩いてきたら流舞ちゃんと会えたってわけだ。


わかった?」


「ぇ…あ、…」



脱走してそれから歩いてきたと言うことだろうか。

ここから十色のいた場所まではかなりの距離がある。


殆ど1日中歩いてきたと言うことか。

車だと、足がつくから…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る