この俺が、蜘蛛臭い、だと……?

 色々あったようだが、まずはステータスの確認だ。

 いつだって、優先順位のトップは俺だからな。



 「statuso(ステータス)」



 ──────────────────────握屋 結生

 種族 : 吸血鬼ヴァンパイア(?)

 レベル : 2


 魂 : 1


 ジョブ : 暴食の大魔王 Ⅰ


str   3852

vit 1260

int  3852

mgd 2520   

agi  3852

dex  2520 +10

mys +20

luck  99999999999999999999999999999999


スキル▼

 {ビンタ(神速)LV.max}

 {ティッシュ流格闘術LV.max}-{糸ティッシュ化}

 {保護術LV.max}-{魔力纏}

 {魔力超精密操作LV.1} {影操術LV.1}

 {超再生LV.1} {魔力超回復LV.1}

 {悪魔召喚}ー{悪魔使役LV.1}-{悪魔憑依LV.1}


 {吸血}ー{吸収LV.1}-{従属LV.1}-{魅了LV.2}

 {闇魔法LV.1} {血液魔法LV.1}


特性▼

赤目 夜行性リヴィンナイト クロヴ•イリ•スミエット

霧化 血液操作 

悪魔の偏頭痛ライツギルティ 不老 魂所有ソウルコレクター

天然鉤縄クライム•アズ•スパイダ 糸纏


 

固有スキル▼

 {暴食}ー{第一権能}-{第二権能} 

 {魔法奪取} {黒魔術}-{呪怨}-{悪夢}


称号▼

 超越者 堕ちた大英雄 暴食 革命者

ビンタを極めし者 幸運の女神に愛されし者

大悪魔の子

──────────────────────



 レベルが上がったようだ。

 ステータスは、運以外が倍になっている。


 そして、新しい項目、蜘蛛もどきどもの親もどきから獲得したと思われるものがある。

 mysとは、神秘性(mystery)の略か?


 なんとまあ、あいつから喰らったものが神秘性とは、片腹痛い。



 あとは、特性が増え、先駆者が超越者になったくらいか。



 「……ぬ?」



 まて、なぜ魅了が上がっている?使っていないだろう。


 ……まさか、これがあいつから喰らったスキルなのか?



 これはこれは。

 笑止千万、生殺与奪。


 魅了どころか、寒気が止まらなかったぞ。



 閑話休題、詳細だ。


──────────────────────

•称号

 超越者

人類でありながら、人智を超越した者

未知に対するあらゆる極大補正

特定の相手から嫌われ、特定の相手からは好かれる


•特性

 糸纏

糸を纏い、防御や攻撃ができる

糸は、鎧や武器のようにして纏うことも可能

ただし、纏っていなければこうかがない

──────────────────────



 まあまあか。

 なんというか、感想がない。微妙だ。



 そして、魂の有用性だが、持っているだけであらゆる面での回復が早くなるというものだ。

 体力、魔力はもちろんのこと、さらには精神力や気といった、俺でさえまだ観測できていないものにまで適応されるという。


 神秘性は、例のごとく見れなかった。

 まあ、あいつの持っていたものというだけに、たかが知れているだろう。



 他にステータスから読み取れる情報はなかったため進行を再開する。



 すると、通路ばかりだったこの建物──かどうかは定かではないが──に、小部屋を発見した。

 小部屋といっても、通路の大きさと相対的に見て、という意味で、それなりに広くはあるが。



 小部屋に入る。



 「きしゃっあぁっぁぁあ」



 でかい蜘蛛もどきが現れた。


 あいつが母親もどきだとすると、こいつは父親もどきといったところだろうか。


 つまり、ボスだろう。

 雄よりも雌の方が弱いのは珍しいが、所詮はもどきだからな。楽しみだ。



 「きしゃっきしゃっ」



 襲いかかってきたので、闇魔法で迎え撃つ。



 「ダークピーラー」


 「きしゃっ?」



 余り堪えた様子はない。

 しかし、計画通り。


 続けざまに、血液魔法を使う。

 血管の穴から、全身の血を吸い出す。



 「操血ブラッドマインド


 「きしゃああぁあぁぁああ゛あ゛あ゛……ぁ…」



 血は、さっきは、母親もどきよりも美味そうだと思ったが、匂いを嗅いだら下手物っぽかったので、捨ててしまった。


 せっかく楽しみしてやってたのに。



『ダンジョンを攻略しました。

エネルギーが1/100たまりました』



 エネルギー?



『人類で初めてダンジョンを攻略しました。

称号 :先駆者が超越者に統合されました』



 超越者が、超越者+になっていた。

 exかと思ったら+だったり、いっそ別のものになったりと、規則性が分からん。


──────────────────────

 超越者+

人類でありながら、人智を超越した者

未知に対するあらゆる極大補正

特定の相手から嫌われ、特定の相手からは好かれる

極一部の相手から憎まれ、極一部の相手からは愛される

──────────────────────



 誰に憎まれようと、愛されようと、俺は俺だ。

 関係ない。



 「……?」



 ところで、ステータスに集中していて気付かなかったが、俺は部屋に戻ったらしい。


 シンプルで美しすぎる部屋に、蹴飛ばされたままの広辞苑(2つ)。


 ひとまず言うべきことを言う。



 「俺が戻ったぞ!」



 と、もうひとつ気付く。




 「……すん、すん…」



 ……臭う。

 蜘蛛臭い。


 いや、さっきからずっと臭ってはいた。

 だが、あの建物の匂いだと思っていた。


 ……しかし、まだ臭う。



 「…………すん」



 まさかとは思いながらも、自分の匂いを嗅ぐ。



 「あ、ぁ、あぁ……あああああああああ!!!」



 蜘蛛、臭い……!


ーうっさい!


 どこからか声が聞こえたが、それを気にする余裕などない。


 この俺が、蜘蛛臭い……?



 これまで15年と少し生きてきた。


 だが、一度でも汚れた覚えはない。

 臭うなんて、言語両断だ。



 なのに、それなのに、だと言うのに……っ!



 この俺が、蜘蛛臭い、だと……?



 「許せん……蜘蛛、コロス……」




 ♤♤




 「ふぅ」



 おおよそ家中の蜘蛛は殺し尽くした。



 さて、ニュースでも見てやるか。


ーぴ


ーこの建築物らしきが現れる現象は、世界各地で起こっており、原因は不明だとのことです。国連は、調査を進めると共に──



 「ほう?」



 なるほど、あの放送は本当だったか。



 ならば───



 「テロだ」






××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××

復活しました!。・゚・(ノ∀`)・゚・。


この作品はロマン重視なので、黒歴史がうずく方はお気を付けてお読みください(^人^)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る