蜘蛛もどきの親もどき

 「ステータス」



──────────────────────握屋 結生

 種族 : 吸血鬼ヴァンパイア(?)

 レベル : 1


 魂 : 0


 ジョブ : 暴食の大魔王 Ⅰ


str   1260

vit 630

int  1926

mgd  1296   

agi  1926

dex  1260 +10

luck  99999999999999999999999999999999


スキル▼

 {ビンタ(神速)LV.max}

 {ティッシュ流格闘術LV.max}-{糸ティッシュ化}

 {保護術LV.max}-{魔力纏}

 {魔力超精密操作LV.1} {影操術LV.1}

 {超再生LV.1} {魔力超回復LV.1}

 {悪魔召喚}ー{悪魔使役LV.1}-{悪魔憑依LV.1}


 {吸血}ー{吸収LV.1}-{従属LV.1}-{魅了LV.1}

 {闇魔法LV.1} {血液魔法LV.1}


特性▼

赤目 夜行性リヴィンナイト クロヴ•イリ•スミエット

霧化 血液操作 

悪魔の偏頭痛ライツギルティ 不老 魂所有ソウルコレクター

天然鉤縄クライム•アズ•スパイダ


 

固有スキル▼

 {暴食}ー{第一権能}-{第二権能} 

 {魔法奪取} {黒魔術}-{呪怨}-{悪夢}


称号▼

 先駆者ex+ 堕ちた大英雄 暴食 革命者

ビンタを極めし者 幸運の女神に愛されし者

大悪魔の子

──────────────────────


 職業の横にローマ数字一ができたな。

 それと、黒魔術と、魂という項目が追加された。


 それはいい。だが、なんだか不穏なものが追加されていないか?



──────────────────────

 黒魔術

悪魔の使う術

階位に比例して強くなる

現在使用可能 : 呪怨、悪夢


 悪魔の偏頭痛

光(特に聖なる光)を見ると、激しい頭痛が起こる

頭痛に強さは最低でもだいの大人が転げまわる程


 不老

肉体が全盛期の状態を維持する


 魂所有

自分の手で殺した生物の魂が近くにある場合、 対象者がそれを所有する

──────────────────────



 前々から思っていたが、この説明は雑だ。

 一見ちゃんと書いてあるように見えて、つける穴はたくさんある。


 専用のスキルがあるからなのか、自分で試せということなのか。



 不老に関しては、全盛期を、例えば18歳で固定とされたら、その時点で筋肉などの変化もなくなってしまうかもしれない。



 要は、一見有能なスキルでも、俺以外が持てばくそスキルになるかも知れないということだ。


 あくまで俺以外だがな。



 それを踏まえた上で、次にスキルと特性を評価するとすれば、黒魔術以外は要検証だ。



 ……ああ、言いたいことは分かってる。

 この俺が、どうしてそんなチキンで凡人のようなことを言い出したかだろ?この俺が。


 分かってるって。



 それは、二回目に天然鉤縄で壁を登ったときに遡る。


 あのときは気付いていなかったが、なんと、あの特性、指が変質するのだ。


 具体的には、指の可動域が三分の一程になる。

 俺は、小さい頃からピアノを嗜んでいた。


 このいみが分かるか!?


 あのときの絶望が、やるせなさが!


 許せない!



 ということで、俺はこのステータスに対し、晴れて猜疑心を持った。




 ♤♤




 「"ビンタ"」



 あの蜘蛛もどきを、きりよく13匹殺したそのときだ。



『規定を大きく下回るレベルの人類に、一定以上の数のマミリアンスパイダーが討伐されました。エクストラモンスター、アラクネが召喚されます』



 またあのアナウンスが聞こえてきた。



 俺のことを人類と呼んでいるのが滑稽だ。


 なぜなら俺は吸血鬼っ!



 俺の前に、太ももの中間辺りから下が蜘蛛と一体化したような、薄気味悪い女が現れた。



 「あら、坊や。迷い混んじゃったの?」



 妖しげに体をくねらせながら訊いてくる。



 「坊や?俺のことか?」



 よく分からなかったので、聞き返す。



 「ええ。他に、誰がいるというの?ほら、こっちへおいで。イイことしてあげる♡」



 女は、辛うじて隠すべき場所を隠していた薄い布切れを自らまくり、その中を見せつけてくる。


 俺は、そこに向かってふらふら歩み寄る。



 「ふふ」



 その女の近くまで進み、胸に手を伸ばす。


 急に、女の口角が、いやらしくつり上がり──



 「ゴプッ………なん、で……」



──そして、苦痛に歪む。



 「決まっているだろ。蜘蛛もどきどころか、人もどきでもあるお前が気持ち悪いからだ」



 血を吐きながら、睥睨してくる女。

 ああ、やはり気持ち悪い。

 だが、これは……。



 「絶対に……許さな、い……」


 「蜘蛛もどきの親もどき、頂きます」



 近づいたときに、とてもいい匂いがしたので、本能のままに、首筋にかぶりつく。



 「い、や、ぁ……あっ」



 女の顔が恍惚としてくる。

 死にかけているというのに、呑気なやつだ。



 しかし、うまい。

 さっきの蜘蛛が、まるで消費期限の切れたヨーグルト思えてくる。


 まろやかで、それでいてしつこくなく、極めつけには、あれにはなかったコクのようなものがある。


 至福だ。



 「あ……ぁ、ぁ……」



 女の顔から血の気が失せていく。



 血の質も、だんだん、鮮度が落ちていくみたいに悪くなり始めた。



 もう終わりか。



 「……ふぅ」



 名残惜しいが、血を吸うのをやめた。



 ビンタで止めを刺す。



『エクストラモンスターが討伐されました。

特別報酬が与えられます』


『レベルアップ』


『#&%において、人類で始めてレベルアップしました。称号 : 先駆者 を獲得しました』


『称号 : 先駆者が先駆者がex+に統合されました』




──『実績の解放数が規定に達したため、全人類に無条件でステータス機能、ダンジョンへ潜る機能、そしてランキング機能 が解放されます』


 ……ほう?



××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××


すみません、更新するのを忘れていました。

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