【シャコガイ】ジョージの酒飲みチャンネル~質問を添えて【買取結果】

 ふぅ……またまた所持金が増えてしまいました、ジョージです。これは本格的に家電とか良い物買い揃えようか。まず冷蔵庫は大至急だよな。いっそのこと、冷凍庫も独立したものを買ってもいいかも知れない。

 所持金が増えた要因は相模原ダンジョンでのアイテムを売りさばいたからだ。売ったといっても、宝箱から出たものではなくあの巨大真珠2つを買い取ってもらった。あれだけ何の効果も無いただの大きな真珠ってだけだしね。アクセサリーにもできやしないし。それでも、置物として欲しがる人はいるとのことなので。お値段もそれなりにしたので、俺は満足だよ。


 さて、鑑定してもらったオウシャコガイの宝箱から出た盾とイヤリングだが、結果はこんな感じだった。


硨磲シャコの盾

オウシャコガイの貝殻で作られた盾。装備者の力に合わせて重量が変化するが、装備者以外は盾本来の重さを感じる。罅が入っても時間が経過すると再生し、元通りになる。なお、損傷具合によって再生に要する時間は変わる。


魔黒真珠のイヤリング

装備者が意志を持って念じ、霊系モンスターに攻撃するとその攻撃は聖なる力を帯びる。また、装備者に精神攻撃耐性を付与する。


 ――どちらも持っておいて損は無さそうなアイテムだったので、買取に回さなかった。どちらも万が一の時に役に立つかもしれない。俺としてはあまり霊系モンスターが出るような場所には行きたくないという気持ちはあるが。

 そんな訳で、買取も含めて今日の成果は中々だった。吽形の使い心地も悪くなかったし、お肉も大量に手に入ったしな。……このうちの何割、今日の俺達の胃袋に入るのかな。


「オイシイ!他人丼オイシイ!」

「どうしても卵の丼=親子丼のイメージがあったが、これもまた美味しいよなぁ。マンドラゴラの入った味噌汁もまた美味し」

「近いうちに親子丼もタベタイ!」

「お、おう考えとく」  


 流石に期間は開けさせてもらうよ?

 それと、後で明日の質問コーナーでの質問もまとめておかなくちゃな。



「ハァイ、皆の衆ジョージの酒飲みチャンネル、質問コーナーのお時間だ」

「ハァイミナノシュー!」

『ようやっと始まったか』

『いくら夏でも全裸待機はキツイよ』

『分かるエアコンガンガンだもんな』

『服着るかエアコン切れよ』


 割といつも通りの開始の挨拶。視聴者の数もどんどんと増えていっているな。

 今回机の上に並べられたのは、料理ではなくお菓子系のおつまみがずらっと並んでいる。これは今日の配信がいつも以上に話すことがメインの質問コーナーだからご飯は不向きだと思った結果だ。まぁ、配信前に軽めの夕食として2人でミニカップラーメンを食べたのだが。

 それはそれとして早速俺はスルメを口にしてモニモニと噛んで味わう。


「出来るだけ質問には答えるつもりだけど、まともな質問送って答えられなかった人はごめんねー?」

『まるでまともな質問もあったみたいな言いぐさ』

「あるわい!オーロラに見せられない質問とか結構あったわ!やめーや!」

「ナニソレ?」

『オーロラちゃんは気にしなくてええんやで』

『愉快犯だろどうせ』

『セクハラ発言がウケると思ってるおっさんのそれと同じなんよ』


 2回目の質問コーナーだからか、そういう質問も思った以上に増えていた。答える質問を選別するのにオーロラの力を借りなかったのは英断だったといえよう。勿論、そう言った質問に答えるつもりは毛頭ない。


「んじゃ早速記念すべき1通目ー」


 前回の質問コーナーと同様にパソコンを操作して質問箱を開いてその中からピックアップしておいた質問のうちの1つを配信画面に表示させる。


【辛党?甘党?】


「これねー、甘党はさておき、辛党は流れからして辛い方だよね?酒の方は見ての通り分かるだろうし」


 辛党という言葉は最近では単に辛い物が好きな人の事を指して使われる言葉だが、本来の意味は甘いものより、酒を好む人の事を指す。まぁ普通「辛」=「酒」とは結び付きにくいよな。俺も最初は勘違いしていた。


『せやな』

『ハハハ、そんな今更分かり切ってること聞くわけないジャマイカ』

「俺はどちらかと言うと、辛党だなぁ。甘い物も好きだけど」

「ワタシはアマトウ!」

『解釈一致』

『オーロラちゃんも本来の意味だと辛党やろな』

「俺もそう思う。はい、次!」


【オーロラちゃんってなんて種族なの?】


「この質問、結構多かったんだよね。これを話すか話さないかはオーロラに任せるよ」

『明らかに進化したしめっちゃ気になる』

『Twitterでもフェアリークイーンじゃないのかとか騒がれていたよね』


 その騒ぎは俺も見たことがある。見ただけで言及も何もしなかったけどね。正直なところ、俺も気になるから出来れば答えて欲しいんだけれど、オーロラの答えや如何に……!


「妖精ダヨ!」

「……妖精なの?」

「妖精ダヨ!」

『アカン、オーロラちゃんが村人Aみたいになってもうた』

『彼女は妖精だ。いいね?』

『アッハイ』

『イエスマム!』


 これは駄目だ。オーロラに語るつもりはないらしい。気になる所だが、ここで追及してオーロラを不機嫌にさせるのも違うので俺からもこれ以上は何も聞かないことにしよう。でも……少なくともただの妖精ではないよね?

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