第21話 対貴族不敬罪法
ワン1号とニャン1号の後を追い、行き着いた所は『ゴウツ魔道具販売店』と看板を
「ここで間違い無い?」
ワン1号ニャン1号が頷いた。
「犯人は解明したが、さて、どうしたものか」
僕が考えても解決しない、工房に帰ってフランソワに相談した。
「ヒロ様、エンディ男爵様に報告されたら、良い事が起こりますよ!」
「ワイン? 未来予想か?」
頷いたワインは、フランソワに言った。
「フランソワ様! お父上に会話魔道具で報告して貰えますか?」
早速携帯会話魔道具に、魔力を込めたフランソワが話してる。
「お父様今良いですか? ……実はヒロ魔道具師工房に悪質な嫌がらせが今朝有りました……はい、店の前に生ゴミの山が出来て悪臭を放って居ました……犯人は解明してます、『ゴウツ魔道具販売店』です……警備兵で? ……はい! お願いします……はい、伝えて置きます、有り難う御座います……はい、近日中にお伺いします」
「エンディ男爵様はどう言われてた?」
「ヒロ騎士爵は貴族だ! 貴族に対する不敬罪『対貴族不敬罪法』を適用して警備兵を送り逮捕するそうです」
「犯行現場を押さえないと、しらばっくれて、言い逃れするかも知れないよ」
「大丈夫だそうです、貴族が『お前が犯人だ』と言えば証拠は不要だそうです」
「そうか? お貴族様は恐いね!」
「何呑気に言ってるの? ヒロさんも貴族なんでしょ確りしてよ!」
「……そう、だね、僕もお貴族様だった」
母さんが生きてたら喜んでくれただろうか? 母さんの事だ「身の丈の生活しなさい」って
翌日店にエンディ男爵様の執事がやって来た。
「ヒロ騎士爵様、男爵様が『都合が良ければ、男爵邸まで来てくれ』と仰って居ります」
「ヒロ様! 良い事が起こりますよ!」
ワインは何か未来予測が出来た様だ。
「ヒロ様、店番は私一人で大丈夫です、フランソワ様とワインも一緒に、エンディ男爵様の所に行って下さい」
今の来客状態なら、ミヒロ一人で客の相手は出来るだろう、僕とフランソワそれにワインはロゼが御者する馬車で、男爵邸を目指した。
到着したが、エンディ男爵邸の馬車停車場は大変な事になっていた。
「おう! ヒロ騎士爵、来てくれたか」
「エンディ男爵様、これはどうなってます?」
「ヒロ騎士爵に無礼な不敬を働いた者達を捕らえた」
警備兵に縛られて連行された様で、卒業試験製作品展示場に居た工房主だったか? 見覚えのあるデブだ。
見た事の無い男達こいつらが生ゴミ投棄の実行犯か? あれ?
「ゼントだったか? 同期生の」
「ゼストだ! ヒロ、名前くらい覚えてくれよ」
「ゼストだったか、優秀だったお前が、何で捕られた?」
「それが、分からん」
「ワイン、こいつゼストが犯行に関わったか?」
「ヒロ様間違って捕らえた様です」
「エンディ男爵様、このゼストは間違って捕らえた、釈放してやって貰えないでしょうか?」
「警備兵! 直ぐに縄を解き解放せよ」
「ヒロ、ありがとう! 訳分からず連れて来られて、途方にくれてた」
「エンディ男爵様、このゼストは、あの専門学校の中では最も優秀だった、あんな工房では才能を伸ばす事は出来ないと思います」
「ヒロ騎士爵、あんな工房などと言うで無い! 対貴族不敬罪法を適用し、『ゴウツ魔道具販売店』とゴウツ工房は没収して、お主の所有にしたぞ」
「へ?」
「オーナーのゴウツに実行犯コソク達を奴隷落ちさせる! ヒロ騎士爵、それで良いか?」
「はぁ……」
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