第20話 魔道具店の嫌がらせ?

 お客は記念特価日? から比べると減ったが、それでも平均10人位客が来てくれて、店員はミヒロとワインの二人で回せてる。


 タクトさんは、魔道具専門学校の校長に任命され、忙しそうにしてる。


 タクトさんの指導は無くなったが、ミヒロの解説図と製作見本のお陰で、僕の作れる魔道具の種類は増加した。


 3人が頻繁に魔道具作っても、ゴミ山は不思議と減らない。




 順調な日々に異変が起こった。


 僕の魔道具工房の敷地には、母さんが設置してくれてた防御魔道具で悪意を持った者は弾かれる、本当は敷地内に放り込むつもりが出来ず、前の通路にぶち撒いた様だ。


 朝玄関前の道路に、生ゴミや腐った動物の死骸等が山盛りに成ってて、異臭を放っていた。

 それを見てミヒロが。

「ヒロ様! 有り難い魔道具素材の山ですよ」

「いやいや、裏の素材をゴミの山って言ってるが、これは本当のゴミだぞ?」


 フランソワまで。

「ヒロさん、違いが有ります? 同じゴミでしょ? 素材に成ります!」

 何て言うもんで、僕も「そう? なのか?」

 半信半疑、試しに棒型携帯照明魔道具を作ろうと、魔力を流してみた。


「あぁ? 出来たぁ! 素材? だね?」

 フランソワにミヒロも其々それぞれ、作り慣れた魔道具を作ってる。


 僕は犬や猫の死骸を利用して、動物型機械人形出来ないか魔力を込めてみた。


 機械人形と言うより、縫いぐるみの犬と猫が出来上がった、機械犬猫は鳴く真似だけで声は出せない。

「意外に簡単に出来たけど、何かの役に立つ? は兎も角お前達風呂に行くぞ! 臭い!」


 魔道具はにおわんが、機械人形の犬猫は生ゴミのにおいで我慢出来ん。

 機械犬2匹機械猫3匹連れて風呂場に行った。


 機械犬猫は、嫌がらず風呂に入ってくれた。

「こうして見ると可愛いぞ」

 石鹸でゴシゴシ洗って、お湯で流せば毛が濡れてチョッと情け無い姿になってる、その姿が可愛いと感じる、美的感覚のずれたヒロだった。


「……お前達を捨てた奴の所に案内出来るか?」

 全ての犬猫がうなずいてる。

「不便だから名前を付ける、お前は『ワン1号』『ワン2号』『ニャン1号』『ニャン2号』『ニャン3号』覚えた?」

 犬猫全て頷いた。


 タオルでいてやっても、毛だらけの機械犬猫はぬぐいきれない。

「そうだ! 乾かす風の出る魔道具作れないか?」



 乾くまで脱衣所にワン達を置いて、フランソワ達に相談した。


 ミヒロとワインが話してる、何か思い付いた様でミヒロが言った。

「風を出すだけなら、魔道具作れるよ」


 ミヒロは、表の生ゴミの所に行くかと思えば、裏のゴミ山に行った。

 裏のゴミ山は、母さんが残してくれた特種な物みたいで無くならないが、表の生ゴミは魔道具作りで消滅したそうだ。


 ミヒロが持って来た筒は、魔力を込めると暖かい風が出てきた。

「凄い!『温風乾燥魔道具』だね」


「『温風乾燥魔道具』ヒロ師匠にしては、良いネーミングだね」

 ワン1号達の名前を聞いて笑い転げてたフランソワが言った。

 

 フランソワは僕の事、どう思ってる? ま、誉められたので良いか。

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