第16話 拡張式収納カバン
「ヒロ様、こんな高価な素材は不要です、裏の廃棄品で
「裏にあるのは母さんが残してくれた、貴重な素材だよ」
裏口から外に出た、全く減った様に見えないゴミの山が有る。
「ヒロ様、ゴミの山? 変な素材よりゴミの方が創作意欲が湧くよ!」
うん誰が見てもゴミだよな、僕も最近ゴミからの方が良い魔道具を作れる様になった。
「何か試しに作ってみろ」
ミヒロはゴミの山を見詰め、一瞬姿が消えた様に見える高速作業を始めた。
1分掛からず、30㎝程のバッグを作り出した。
「はい、完成!」
早!!
「何をしたか、見えん程の動き! このカバンは魔道具か?」
「初めてなので、上手く出来ませんでしたが、最大10倍拡張魔道具カバンです」
「拡張魔道具カバン? 3倍の拡張カバンは見掛けるが10倍だと! この完成度と機能の10倍拡張が本当なら、ミヒロに魔力製作の必要無いな! 手組製作で充分だ」
あの超高速手組ならば魔力製作は不要、魔力製作より優れて居るよ。
「ヒロ様、収納する時魔力を魔道具カバンに流して下さい、収納物入れる度に魔力を込めると、収納物を取り出すまで10倍拡張は維持されます、常時大気中の魔力を吸収するので魔力を注入しなくても、半永久的に5倍拡張は維持されます」
僕が次に作ろうと思ってた拡張魔道具カバンって、そう言う物か勉強になった。
僕はミヒロが作った、拡張魔道具カバンを見落としの無い様慎重に調べた。
「ミヒロ、中の模様は魔方陣か?」
「お気付きですか? その魔方陣がこのカバンの心臓部で、魔力を吸収し内部空間を拡張します」
説明してる事は、ミヒロの基礎知識からのようだ、機械人形5体分の人工知能の可能性は無限かも知れない、ミヒロは魔道具作成特化でワインは未来予測特化?
簡単に作っては見たが、オートマタに付いては、もっと調査が必要かも知れん。
ミヒロの真似をして、あの魔方陣を忘れ無い様に、拡張魔道具カバンの魔力製作を試みた、作成の様子は見た、優秀な見本もある、これで出来ないはずが無い! 僕はゴミの山に魔力を流した。
「流石ヒロ様! 50倍拡張魔道具カバンを、簡単に作られた! 私も頑張らないと役立たずになる!」
「いや、ミヒロが作った見本のお陰だ! ミヒロは優秀だ! 役に立ってるぞ」
ミヒロは、僕が慰め言ってると勘違いした様で、照明魔道具や時計魔道具それにコンロ魔道具を量産した。
「ミヒロは凄いな! 短時間で、手組魔道具を量産出来るって! これも安価魔道具として展示する、もしかすると他の魔道具工房の需要を無くすかも? 魔道具はヒロ魔道具師工房の独占になる?」
そんな夢の様な出来事妄想が、エンディ男爵様の協力で実現する事になるなんて、この時は思いもしなかった。
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