第17話
大広場。
多くの人々が利用する公園の一部。
人が賑わう場所ではないが、スケートボードコース、バスケットコートなどアウトドアスポーツ系の施設があり、学校帰りの生徒や、ジョギングをしたり犬の散歩の為に利用する者が多い。
広々とした空間。
逃げ惑う人々の中は、その巨大な剣の存在を感知した。
「っ…あれは、なに?!」
驚き、逃げる足を止める。
次々と、その剣を見ては速度を落とし、見てしまう者が多かった。
「何をしているのですか、早く避難をッ!!」
避難誘導をしていた戦女神の一人が足を止める人たちに向けて告げる。
そして、彼らの見つめる先に目を向けた時、その戦女神は安心する様に、表情を和らげた。
「曼殊沙華さま…来てくれたのですね」
戦女神はその様に安堵した。
彼女の登場程、心強いものはないだろう。
逆に魔装凶器たちにとっては、彼女程恐ろしい存在はいないと実感するだろう。
「が、ぁッ!」
先ず最初に、斧の腕を持つ魔装凶器が剣の餌食となる。
余りにも膨大な剣では、如何に軽くても動かすだけで周囲の建物に被害を与えてしまう。
だが、彼女の意のままに形状を変化する事が出来る武装人器に、その言い訳は通用しない。
剣の大きさを自在に変化。
掌に収まる程に縮小させ、即座に斧腕の魔装凶器に接近。
戦女神のエネルギー、エインヘルヤルは戦女神の身体能力を底上げする力も持つ。
咄嗟に目の前に出現した曼殊沙華ひがんに、僅かに行動が遅れてしまう。
だが、その一瞬が命とりだった。
(下から上へ振り上げると共に、サイズを拡大…)
魔装凶器の肉体が、巨大な斬撃によって跡形も無く崩れ去る。
即座に大きさを変更させ、自分の背丈の二倍ある程の剣へと変化させる。
「次、こっちね」
剣の切っ先を地面に突き立てる。
そして、大きさを拡大させ、百メートルにも二百メートルにも伸びて、瞬間的な跳躍を行う。
そして、魔装凶器と戦女神たちが戦闘を行っている所を確認した後、剣の大きさを再び自分より大きい程度の長さに変えて、魔装凶器に向かい出す。
「貴方たち、よく頑張りました、後は私が引き継ぎます」
その言葉と共に、魔装凶器の胴体を縦に真っ二つにする刃の一撃が肉体を両断。
伸縮自在、体積自在、ただそれだけの能力。
それ故に自由度が高く、魔装凶器は対応出来ずに討伐される。
「さあ、私と、
残る魔装凶器を見ながら、彼女は武器を構える。
その宣言通り、曼殊沙華ひがんは、残る魔装凶器を全て殲滅してみせた。
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