リスタート（修正版）

第31話 ボイス収録へ

　今更だけど……いちいち文字入力するのめんどくさいなぁ。手がちっちゃいからどうしてもね。よし、唯ちゃんに通話かけよう！どうせ暇でしょ！ソースは僕。お互い幼児だからわかる。基本予定なんてない！配信通知もきてないから大丈夫でしょ！

「もしもーし！蒼井です！」

『あれ〜？蒼井ちゃんどうしたの？』

「チャットでのやり取りがめんどくさくなったんだよね。手が小さいから……。」

『あ……。あ、そうそう！シナリオの方どうだった？蒼井ちゃんの期待に沿えたかな？』

「完璧！最高！困った時の唯ちゃんだね！」

『またなんかあったらいつでも相談してね！ほら、私は蒼井ちゃんの先（・）輩（・）だからね！』

「はい！それで、シチュエーションボイスの収録の日程なんですけど……いつ空いてます？出来ればせっかくオフで会いますしコラボもしたいなって思ってるんですけど……。収録場所は僕の家の地下にあるスタジオなので僕はいつでも大丈夫なんですけど……。」

『そういえばなんで敬語？なんか距離を感じて寂しいんだけど……。もっとフランクに話しかけてよ！私泣くよ？』

「なんか改めて先輩なんだなぁって実感したので敬語にしてみました。はい、すぐ戻すね。」

『で、オフで会える日だっけ。いつでも大丈夫だよ！予定なんてないから。なんなら今日でも……なんちゃって。これは流石に冗d……』

「いいですね！今日やりましょ！今日！」

『へ？』

「え〜っと僕の家の位置情報送ったよ！待ってるから！楽しみだなぁ〜！」

『えっと……今から準備して向かうね！急で申し訳ないってTUMUGI先生に言っておいてくれると助かるよ。』

「今日にしようって僕の方から言ったんだからそんな気にしなくてもいいのに！でも伝言だからね！ちゃんと言っておくよ！シナリオ読む練習しておくから心の準備しとてね！それじゃ！」

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『とりあえず二人に連絡しないと。位置情報的にも一人で行けそうだけど流石に二歳児が一人でいなくなったら警察案件だからね。』

　唯はこう甘く考えているものの本来なら一言言ったところで二歳児が一人で家からいなくなった時点で警察案件である。それでも問題になっているのは唯自身への祖父母の信頼と成熟した精神による唯自身の実績である。