第9話なんてことを……
翌日の月曜日の放課後。
私は帰宅して自室で声優が配信していたホラーゲームの実況動画をスマホで再生しベッドに横たわり、観ていた。
動画を観始め40分が過ぎた頃に姉と不破と二人の友人の声が聞こえた。
2階に上がってきた姉達は変わらず騒がしくしていた。
不破が姉にひとこと断りを入れ私の自室に行くことを告げるのが聞こえた。
「穂乃実ちゃ〜ん、入るね〜!」
私の自室の扉がノックされるのと同時に不破のそんな声が聞こえた。
昨日とは打って変わり、明るさを纏った不破が私の前に現れた。
「不破さん……」
「穂乃実ちゃん、昨日はエマと羽場が衛生的に悪いもん見せてごめんね。穂乃実ちゃんの美しい瞳を汚して
不破がベッドに歩み寄り、屈んでスマホを覗き込んで話しかけてきた。
「昨日のことは……私はだいじょ……うぶです、から。気になさらないでください。えっと……羽場さん?でしたか……あの方に親子丼……美味しかったと伝えてもらっていいですか。ホラーは……得意、とは言えないです。実話怪談や洒落怖といった類いのを観るのは観ますけど怖がりながらって感じで……ホラゲーは自分で遊ばないで、実況動画を観るだけです。お化け屋敷なんか……行ったこと、ないです」
「そう。言っとくよ、バカに。そういうタイプねぇ……映画も無理?」
「はい……貞子やああいうのは全然です……」
私は首を左右に振り、返答した。
「そぉ〜……今日はレッスン休みね。靴下ぁ、脱いでイイ?蒸れ蒸れで嫌でさぁ。あの月刊誌、読んでイイ?」
「そうですか。ベッドの上に放置しないのでしたら、構いません……読むのは、お好きにしてください」
「サンキュ……っしょいっとぉ〜」
彼女がソックスを脱いでから床に置かれた少女漫画の月刊誌を胸に抱え、ベッドの傍に戻ってきてベッドに載り私の隣に横たわる。
「あの……不破さん?下でも読めま——」
「お尻ぃ痛くなるじゃん。なんもしないってぇ」
「はぁー」
「……」
彼女は少女漫画の月刊誌のページを捲り始めた。
「……」
「ふっ……不破さん、あのぅ」
「なにぃ?シてほしいっておねだり?」
「違あっ……います。その……えっと、あぁっ……とぉぅ……不破さん、私ぃ……不破さんにアソコぅ……を触って……もらいぃ、たい……ですぅっ……」
「へっ?されたいの?」
「はぁ、はぁいぃ……私のま○こぉ、触ってくださぁい。不破さぁんん……お願いします……」
「今日はやられずに済むんだよ。無理しなくて、良いよ……」
「むぅっ無理なんか……して、ません。一度でいいですから……私を、絶頂かしてぇ……ください」
「穂乃実ちゃん、ほんとにイイんだね?後悔しないね、ほんと?言ったからね、穂乃実ちゃんがやってって」
「はい。後悔しません。私を、気持ち良く……させてください」
私は不破悠歌に身を委ね、絶頂を迎えた。
私は彼女にされるレッスンのいかがわしい行為を、初めて彼女に要求した。
私は改めて精神が不安定に陥っていることを実感した。
私は……どうかしている。
ママぁ……ごめんなさい。パパぁ……ごめんなさい。そして、お姉ちゃん……ごめんなさい。
私を……許して、ください。
恥ずべき娘に、恥ずべき妹に……成り下がって、すみません。
あなた達の知る私は……もうこの世にいません。
こんな私が生きても……良いですか?
誰か……応えてください。
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