第12話 幼馴染と食事
リュカとエリナは
リュート国王から用意された宿舎に到着後
部屋に案内された。
その宿舎は豪華で
王国の賓客にふさわしい立派な
内装が施されていた。
入り口から広がる高級感あふれる廊下には
細かく彫刻が施された柱や壁掛けがあり
どこか落ち着いた雰囲気を漂わせている。
宿舎に入ると
まず目を引くのは広々とした居住空間だ。
床には柔らかな絨毯が敷かれ
天井には魔力で輝くシャンデリアが
部屋全体を暖かな光で包んでいた。
家具はすべて上質な木材で作られ
王国の紋章が彫り込まれた重厚なドアが
各部屋を区切っている。
「すごい……こんなに素敵な宿舎
初めて見るわ」
エリナは目を輝かせ
内装を見渡しながら感嘆の声を上げた。
「本当に立派な場所だな……
王国がこんなに歓迎してくれるとは
思っていなかった」
リュカもまた
その豪華さに驚きつつも
旅の疲れを癒す場所ができたことに安堵した。
二人はそれぞれ別の部屋に案内された。
エリナの部屋は白と金を基調とした優雅なデザインで
広々としたベッドの横には大きな窓があり
そこからは夜空の星々が見える。
リュカの部屋もまた
ダークブルーを基調とした落ち着いた内装で
彼にとってリラックスできる環境が整っていた。
「じゃあ、少し休んでからレストランに行こうか?」
リュカがエリナの部屋のドア越しに声をかけた。
「そうね、寝る準備をしてからね」
エリナが返事をし
二人はそれぞれ寝る準備を始めた。
リュカはベッドに腰を下ろしながら
長旅と戦いの疲れを感じつつ
深呼吸してリラックスした。
一方、エリナはベッドサイドの小さな鏡で
身だしなみを整えながら
リュカと過ごす食事の時間を心待ちにしていた。
準備が整うと
二人は再びロビーで合流し
レストランへ向かった。
王国の中心に位置するそのレストランは
内装も洗練されており
訪れる人々に特別な時間を提供してくれる空間だった。
入り口をくぐると
魔法の光で柔らかく照らされた店内が広がり
そこには静かな優雅さが漂っていた。
「さあ、今夜はゆっくり食事を楽しもう」
リュカがエリナに微笑みかけると
彼女も嬉しそうに頷き
二人はタッチパネルを使ってメニューを選び始めた。
続いての食事が
彼らの心をさらに温め
これまでの経緯を語り合う大切な時間になることを
二人は感じていた。
エリナは
リュカと二人きりでこのような場所に
いることに心を弾ませていた。
幼馴染であり
戦いを共にしてきた彼に対して
彼女の心にはいつしか恋心が芽生えていた。
この時間がとても特別で
リュカと過ごせることが嬉しかった。
「リュカ、何を頼む?」
エリナは笑顔でリュカに問いかけた。
リュカはタッチパネルに目を通し
軽く肩をすくめた。
「どれも美味しそうだな
せっかくだから
少し贅沢してみるか」
二人はそれぞれメニューを選んだ。
リュカは『グリルド・ステーキ』と『ポテトの香草ロースト』
そして『魔法のフルーツジュース』を注文。
エリナは『クリームソースのパスタ』と『サラダ』
デザートには『ベリータルト』と『ハーブティー』を選んだ。
料理が運ばれてくると
その香りに二人は思わず顔をほころばせた。
「やっぱり、こうしてゆっくり食事をする
時間があるといいな……
しばらく戦い続きで
こんな時間を忘れていたよ」
とリュカがしみじみと言った。
エリナも同意して
食事をしながらこれまでの出来事を語り合った。
リュカは自分が勇者パーティから追放されたこと
エリナはアステリア王国が
滅びた時のことを振り返りながら
二人はお互いの想いを共有していった。
その時間は
彼らにとって戦いの疲れを癒す
大切なひと時だった。
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