祠壊し文学考察3 登場人物の傾向
前回は祠を壊す方法と理由について分析しました。ここからは登場人物たちの属性や登場回数などと分析していきます。
まず、祠の破壊者の属性について考えます。例によって主催者の読み取った限りでの属性はこんなところです。ちなみに男性を「少年」「独身男性」「男性」にわけたのは、属性によって話が多少変わってくるような気がしたからです。「主人公」は、一人称で本人の素性が断定できないものとなっています。「若者」は、肝試しとかやるような良くないグループの誰かが壊した、という判定です。作中で明確に誰が壊したかわかっているものはおそらく属性が付与されています。しかしあまり自信がない。
少年 ――――――24%(19作品)
主人公 ―――――18%(14作品)
女性 ――――――10%(8作品)
独身男性 ――――9%(7作品)
若者 ――――――6%(6作品)
男性 ――――――5%(4作品)
建設会社 ――――5%(4作品)
宇宙人 ―――――3%(2作品)
不特定多数 ―――3%(2作品)
不明 ――――――4%(3作品)
その他 ―――――13%(10作品)
祠壊しは力仕事なので、圧倒的に男性が破壊していますね。しかも何故か「少年」というカテゴリが圧倒的に多い。これはいたずらの延長で壊してしまった、ということなのでしょうか。ちなみに男性を「独身男性」とカテゴリ分けしたのは「モテないし祠でも壊すか」みたいなノリの作品がまあまあ見受けられたからです。その他のカテゴリの男性は「男性」になってたと思います。
変わり種だと「宇宙人」や「誰かが壊したのが発見された」というもので、「カップル」や「詐欺師集団」などひとつの目的で複数人が壊すというものもありました。そういう場合単なるうっかりやいたずら目的に比べて罰当たり度が高くなる気がします。
次は祠壊し文学の代名詞のような存在「壊したんか爺」の登場回数です。作品によっては怪異だけで終わっていたり、「壊したんか」という台詞だけで違う役割のキャラが話しているというパターンもあったりで、「爺さんが叫ぶ」というシチュエーションがいらないものも結構見られました。爺さんに限らず、ミームを継承していると思われるキャラクターは大体カウントしました。
その登場回数は79作品中32作品、全体の41%です。
思ったより少ないな?
ついでに「君死ぬよおじさん」の登場回数も発表します。こちらは「君死ぬよ」というキャラが違っていてもミームが継承されていると主催者が判断したものはカウントしました。
その登場回数は79作品中32作品、全体の41%です。
爺さんと一緒じゃん!?
これは全くの偶然です。思わず集計を見直してしまいましたが、偶然ですね。なおおじさん風体が怪異側だったり爺さんにカウントされているものも一応ありますので、そこはファジーな感じでお願いします。厳密にやると多分終わらないので……。
ちなみに怪異と爺さんとおじさんのミームを全て使ったものは8作品、逆にひとつも用いていない作品は4作品ありました。ついでに本格的な流行まであと一歩だった双子が登場した作品は3作品でした。双子の姉妹に関しては映画『シャイニング』などでかなり鮮烈なイメージが出来上がっているので、ミームで遊びにくいのかもしれません。
そして祠壊しミームキャラを全部登場させている作品はミームで遊ぶような作品が多く、逆に登場させなかった作品はミームを消化していない傾向にありました。そのうち一作はブーム前の作品ですので、ミームで書いていないのは当たり前ですね。
また、興味深いのですが「祠壊し」「爺さん」「おじさん」が混同しておじさんが祠を壊していたり、爺さんやおじさんが怪異になっていたりしたものも多くありました。物語の都合上そうなっている作品もありますが、ミームの消化が中途半端な印象を受けた作品もありました。
ちょっと難しい話になりますが、ミームをミームとして使用しなかったために新たなミームが付与されるというのがミームの面白いところです。まとめとして次回はそんな話をして考察記事をおしまいにしましょう。
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