第1088話 想像外
「……山の中に城か。発想が飛び抜けてんな……」
アホとも言うけどよ。
しかし、給料を払う必要がないとは言え、東京ドームが入りそうな空間を掘り、城を建てるとか何十年前から行動してたんだ? 根気よすぎんだろう。
「雷牙、ドローンを頼む。なにかあったら教えてくれ」
「了解」
ルースミルガン改をホバリングにして映像を確認する。
洞窟内に侵入されることを考えてないねか、城壁はない。てか、灯りは魔法か? かなり魔法に長けたヤツがいるか技術があるかのどちらかだな。
通路はものを搬入する作りではなく、簡素なものだった。主要通路ではなかった。ってことは他に主要通路があるってことだ。
メビに繋ごうかと思ったが、動きが速い上にプランデットを腰に差しているから映像がブレブレ。酔いそうなので辞めておいた。
「タカト、あれ! バデットゴーレムだ!」
雷牙に体を揺らされ、無理矢理顔を向けさせられた。君、オレを片手で持ち上げられるくらい力があるんだから優しくしてちょうだい。
「二体か。どこから現れた?」
「わかんない。いつの間にか現れていた」
「よし。あの付近にマルダードを二、三個落とすぞ」
念のため、十個は積んである。二、三個落とせば視界が広がるだろうよ。
バデットゴーレムは動きが鈍い。すぐに向かっても大して移動してない。雷牙に窓からマルダートを投げ落としてもらった。
すぐに退避。爆発が起こる。
「爆発が収まったら向かう。切り開くように投げろ」
「了解」
旋回しながら爆煙に巻き込まれないよう風上から向かった。
第二弾を投下。いい感じに横の木々の間に消えて爆発を起こす。
「ラダリオン。爆発のところにきてくれ。そこに通路があるかもしれない。警戒しながら探ってくれ」
三キロくらい離れているが、オレたちが降りるより安全だ。バデットゴーレムが溢れ出るとか勘弁だからな。
「わかった。タダオンたちも向かせる?」
「いや、二人が移動していのが見えるから大丈夫だ」
あの五人は連携が取れている。まず二人を向かわせたんだろうよ。
「タ、タカト、あれ!」
また顔をつかまれ、無理矢理向けさせられた。
「マジか!?」
なにかあるだろうとは思っていた。バデットゴーレムを大量に投入するんだろうと予想もしていた。
「あ、あれ、巨人だよね?」
「……あ、ああ。オレの目にも巨人に見えるよ……」
爆煙の中から巨人が何人か現れた。鎧を身に纏い、鉄製の剣や槍、鉄のこん棒まで持っている。どんだけ前準備してたんだよ?!
まさに予想外。いや、想像外だ。だれが考える、巨人が現れるなんてよ!
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