第14話 セクサローネ様との話!
セクサローネ様の第一声を聞いてホトカゲさんが平伏して謝っている。
「も、申し訳ございませんっ!! セクサローネ様!! どうか神罰は私だけにして下さいっ!!」
なんて言ってるけれども神罰なんてとんでもない!! もしもセクサローネ様がホトカゲさんに神罰を与えようとするならば
「ちょっと、ホトカゲ! 誤解があったようね。今の言葉は私の恩恵をあげた二人と、祝福をあげた四人に言ったものよ。だから、あなたはそんなに畏まらなくても良いのよ」
えっと、それって僕たち六人に言ったって事ですよね?
「そうよ、ジータくん、セーナちゃん!! 二人は村人たちの家を手伝ったりせずに先ずは私の神殿を優先してくれないとっ!! それに忙しそうにしてたけど、シーヤくんなら合間に私の神殿の設計図を書いてジータくんに渡せた筈よっ!!」
うんまあそれはそうでしょうけど…… そんな事はお会いした時には一言も仰ってませんでしたし、シーヤ、ショーキ、ショーコ、タマキに祝福をあげたって言うのもいま初めて聞いたのですが……
「何でっ? あれだけ何度もステータス確認してたのに?」
「あ〜…… すみません。俺たちレベルしか見てなかったんです……」
シーヤが申し訳なさそうにセクサローネ様に説明した。
そう、僕たちはレベルがどれだけ上がったのかの確認の為にステータスを見てたけど、それ以外の項目には目を向けて無かったんだ。
「クッ! これが
いえ、違いますよ、セクサローネ様。僕たちニュータイプじゃありません。それを言うなら
「六人もいて六人ともそうなら、正にその世代の全員がそうだと思っても可怪しくないでしょう!!」
はい…… 反省します……
「まあ良いわ。とても良い神殿が出来たのだから。これで私の神力も徐々にだけど元に戻っていく筈よ。有難う、みんな。それにホトカゲも良く頑張ってくれたわね。この村の人たちが誰一人、私への信仰心を無くさなかったのは貴女とキョマラのお陰よ。そんな貴女に祝福を!」
その言葉と共にセクサローネ様からホトカゲさんに光が降り注いだ。
「あっ! ああ〜!! セクサローネ様! コレは!?」
「今までごめんね、ホトカゲ。私の神力が弱まった所為で子供が欲しくても出来なかったものね。でも大丈夫よ。貴女とキョマラの元に
その言葉に涙を流しながらもホトカゲさんは言う。
「有難うございます、セクサローネ様…… けれども私たち夫婦だけではございません、他の村人もまた……」
ホトカゲさんが言いにくそうにそう言った。
「アラ? 大丈夫よ、ホトカゲ。村人には私の神子たちが
「はい、はい、セクサローネ様! 必ず伝えます!!」
「さてと、それじゃ六人には宿題よ! 一度ちゃんと自分たちのステータスを隅々まで確認する事!! 分かった?」
「「「ハッ、ハイ!」」」
「「「は〜い!」」」
そこで消えようとしたセクサローネ様を慌てて呼び止めた僕。
「ちょっ、ちょっㇳ待てよっ!!」
いつか言ってみたかったとある俳優のセリフを思わず吐いてしまった僕に、セクサローネ様はというと、
「とても似合わないわ、ジータくん……」
残念そうな顔でそう言った後に、
「言ったでしょ? 村人たちに
そう言って神界に帰られたんだ。良し! 言質は取ったぞ! 僕は似合わないと言われた事は記憶から完璧に消してガッツポーズを取ったよ。
シーヤだけは僕をシラけた目で見てたけどね。さすが雑学王だ。あのセリフを知っているなんてね。
「ジータ、セクサローネ様に待てよっなんて言ったらダメだよ」
セーナからはお説教をされてしまったよ。それから僕たちはホトカゲさんとお話をして、結婚して夫婦となったけど、異種族の為に子宝に恵まれなかった人たちに
注意点もちゃんと伝えたよ。
「有難うございます、神子様がた……」
そう言って涙するホトカゲさんだけど、僕たちはそれぞれを名前で呼んで欲しいなと頼み込んだんだ。確かに僕たちはセクサローネ様の神子なんだろうけど、落ち着かないしね。
「畏まりました、ジータ様。皆様をお呼びする時には名前でという事を村人たちにも徹底いたします!」
その丁寧語も何とかして欲しいけど、それは無理だって断られちゃったよ。信仰の教義に関わりますのでとキッパリ言われたから諦める事にしたんだ。
そして、翌日から僕とシーヤ、ショーキが村の防衛の人たちの元へと出かけ、セーナ、ショーコ、タマキが
「いい? これでレベルアップするのは二日に一回で、一度の
そう言って注意する僕。
「おお! 有難うございます、ジータ様! でも、菊門を使ってならノーカンなのですな!! それは有難い、さっそく今夜、妻と相談してみます!!」
うん、今頃は奥様はセーナによってその気になられてるだろうから、結婚してる防衛の人たちのレベルアップは中々難しいだろうね。
レベルダウンについては僕たち六人はレベル1からだったから下がるのは1まで下がってしまうけれども、村人たちはチョメチョメをかけた時点のレベルまでしか下がらないようにセクサローネ様にお願いした。
じゃないと村の防衛のレベルがヤバくなっちゃうからね。渋々だけどセクサローネ様も受け入れてくれたよ。
「よし、これで全員だね!」
村の防衛に携わる人たち全員にチョメチョメをかけ終えた僕たちは自分の家に戻った。ちょうどセーナたちも戻ってきたよ。
僕たちの家は神殿の敷地内に置かせて貰う事になったんだ。神域の範囲内だからセクサローネ様を信仰してない人はここまで入って来れないからね。
そして、セクサローネ様を信仰してる人たちは勝手に僕たちの家には入らないから安心だよ。
ホトカゲさんとキョマラさんには村の中に家があるけれども、神事を行う際に利用する家を僕たちの家のすぐ隣に建ててあげたよ。
見た目は僕たちと同じ掘っ建て小屋で、中は5LDKにしておいたんだ。タンスと鏡はおまけで付けてあげたよ。お風呂、トイレも勿論だけど僕たちの家のように自動にはしていない。
その代わりに井戸は家の隣に掘ってあげたんだ。
何故か神水として神殿で村人に配ってるようだけどね。まあ、神域内の井戸だから良いか。
こうして、今できる範囲で村のことをやったから、僕たちは街へ遊びに行ってみる事にしたんだ。ホトカゲさんは村で留守番するって言うから、キョマラさんも残ってあげてと頼んだ。いわば新婚さんだからね。ちゃんと愛を確かめあって欲しいって頼んだんだよ。
「でしたら私の甥とホトカゲの姪に街までご案内させますので」
甥っこさんはキョマラさんの末の弟さんの子供さんで十八歳。姪っこさんはホトカゲさんの妹さんの子供さんで十六歳なんだって。
「甥も姪も何度か街まで行った事もありますし、ロッシュさんの店の場所も知っております。それにジータ様たちと年齢も近いので」
そう言ってくれたから、僕たちはその二人に案内をお願いしたんだ。
うん、まさか仲があまり良くないとは知らなかったよ……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます