第34話 渦巻く大風を弱める魔法
横殴りの雨粒がレムネアの頬を叩く。
強い風がうねる中、空へと飛びあがった彼女は中空で静止していた。
彼女は今、台風と戦う為にここにいる。
ケースケに認めてもらう為、認められるだけの自分になる為に、ここに居る。
町を守ることができたなら、きっとこんな自分でも胸を張れるはず。
ケースケさまの目を真っすぐに見返すことができるはず。
「落ち着け。落ち着け。私はそのための魔法を知っている」
エルディラント王国の特殊魔法隊が行使する大魔法。
だが、骨子は生活魔法の延長であるアレ。
今、この町を救えるのは私だけなのだ。
そう大きく息を吐きながら、レムネアは風の中心を睨みつけながら杖を構えた。
また、みんなで屈託なく笑いたい。
悲しむ顔なんか見たくない。――そのために。
レムネアは戦うことを決めたのだ。
『
杖が輝きを増した。
レムネアの身体もまた、強い光を帯びていく。
台風を、鎮めてみせる……!
◇◆◇◆
『人が、空を飛んでる……』
『幻覚、じゃないよな?』
『お、お母さん、飛んでるよ? 光ってるよ?』
レムネアの飛翔を見た町の住民は、驚きを顔に張り付かせたままに空を見上げていた。
騒ぎを聞きつけた人たちが次から次へと体育館から出てきて、空に浮かんでいる彼女の姿を見て驚く。
「お、おいケースケ。レムネアさん、あれはいったい……!?」
レイジですら驚愕を隠せずに俺に詰め寄ってくるほどなのだ。他の住民たちの心中は穏やかであろうはずもなく。
『嘘だろ……なんだよ、あれ』
『こんなこと、ありえるのか……?』
驚きだけでなく、不安そうな顔を見せる者もいた。
レムネアは普段、自分の魔法などが意識されにくくなる魔法を自分に掛けていたはずなのだが、ここにいる誰にも、レムネアの暗示が効いてなさそうだった。
慌てていたのか、これからすることが大変すぎるからなのか、暗示の魔法が切れているらしい。
「ケースケ君、彼女は『台風を止める』、と言っていたようだが」
野崎さんが俺の顔を見ながら、少し落ち着いた声で訊ねてきた。
「は、はい……」
「そんなことができるのかね?」
「そういった魔法がある、とはレムネアが言ってました」
周囲がザワついた。
俺の『魔法』という言葉に反応したのだ。
『ま、魔法……?』
『なにを言ってるんだあんた』
『そんなものが、この世にあるわけないだろう』
ここまで見られてしまった以上、適当な誤魔化しを試みるのは良くない。
住民の皆さんには正直に話すことにした。
「この世界の物ではありません。『彼女の世界』のモノです。彼女は異世界からやってきたんです」
『そんなことを信じろって!?』
『いやでも確かにあの子は、この世界の常識じゃありえないことをやってる』
『魔法だなんて、危険はないの!?』
疑念と不安を皆が口にしていた。
仕方ない話だ、異質なモノへの恐怖は誰しもある。
だからこそ、俺たちもレムネアの正体と魔法をこれまで秘密にしてきたのだから。
――そのとき。
「見て、ケースケにーちゃん!」
リッコが空を示した。
レムネアが、台風の雲に向かって光を放っていたのだ。
その光はしばらく続き、止まり、またしばらくして同じように放たれた。
ナギサが俺の方を見る。
「レムネアさんは何をなさっているのでしょうか」
「……台風を止めようとしているのは間違いないと思う」
だけど、そのためにどんな魔法を使っているのかまではわからない。
俺がそう言うと、周囲の住民が反応した。
『さ、さっきもそう言ってたが、台風を止めるなんてことが可能なのかね!? それなら俺たちの畑も助かる可能性が!』
『できるわけないだろ! 台風がどれだけのエネルギーを持ってると思うんだ!』
『そうよ。よしんば魔法を使えるのが本当だとして、たった一人でなにができるというの!?』
『そ、それもそうか……』
そうだ。
レムネア自身も確か言っていた、自分程度じゃ魔力が足りないと。
なにせ国所属の魔法隊が皆で魔力を合わせて使う、秘奥レベルの魔法だとの話だったはず。
「そんな高度そうな魔法なんですかレムネアさんが使おうとしている魔法は」
「ああ」
「心配ですね、ケースケさん……」
ナギサが目を伏せた。
そうだ心配だ。だからレムネアを止めようとしたのに。
「なにか私たちにもやれることってないの!? ケースケおにーさん!」
「リッコ……、そう言われても」
ここからじゃ、上空の彼女に応援の声すら届かない。
せめて背中から支えてやりたいのに、それすら叶わないなんて。
なにも出来ないもどかしさが、俺の胸を締め付ける。
彼女を手伝うことの出来ないやるせなさ。
悔しさが込み上げてくる。
まるで蚊帳の外に置かれたようなこの気持ちは、――ああそうか。
そこまで考えて、ようやく気がついた。
白菜の件で俺がレムネアの責任を追及しなかったとき、彼女もこんな心境だったに違いない、と。
「俺は彼女にこんな残酷なことをしていたのか……」
心が苦しい。
なにか、なにか方法はないものか。レムネアに応援を届ける方法は。
「レムネア……お姉ちゃん、頑張って……」
祈るように胸の前で手を組んだ美津音ちゃんが、レムネアの居る空を見る。
――あれ? なにかが俺の心の中にヒラメキ掛けた。
なんだ? 俺はなにを思い出しそうになっているんだ?
空を飛んでいるレムネアに向かって、手を組む……。
手を組んで、握り込む……。
握り込む……? なにをだ? って、――あっ!?
「そうか!」
俺は腰のポーチへと手を伸ばした。
そうだ、この手があった!
――魔力補填石!
前に美津音ちゃんたち三人娘を連れてレムネアが遊覧飛行をしたとき、魔力が切れ掛けていた彼女にそれを使って魔力を渡したことがあったっけ!
たった一人の援助でなにが変わるとも思えない。
それでも俺は、ポーチから取り出した魔法石を握りしめたのだった。
◇◆◇◆
「はぁ……はぁ……」
レムネアは肩で息をしていた。
何度目かの挑戦、『
さすがというべきか当たり前というべきか。
秘奥と呼ばれる魔法だけあって、この大魔法を維持することが叶わない。
「く……っ、ぬぬ、ふぐっ! ……くああっ!」
杖から放たれた光線が雲の中に吸い込まれていく。
必死の形相で魔法を行使する彼女の顔中が濡れていた。
雨と汗が区別つかない。
身体から湯気が立つ。彼女の身体は、豪雨の中にあってなお熱い。
「ああぁぁぁーっ!」
この魔法は、台風を構成する積乱雲の上部を魔法により冷却することで上昇気流を弱め、積乱雲の発達を抑圧するものだった。結果的に台風は弱まり、続けていけば消滅させることもできる。
『原理自体は難しいものではないんだレムネア、おまえが得意な生活魔法による温度調整の応用だよ』
――え、なに?
自分の中に突然聞こえてきたその声に、レムネアは動揺した。
どこかで聞き覚えのある声。
それは懐かしい声。
エルディラント王国特殊魔法隊の隊長、レムネアの父の声だった。
『地面を暖める魔法、逆に冷風を作り出す魔法。
なにこれ?
どうしてこんな声が聞こえるの……!?
『それって生活魔法だよねおとーさん!』
『そうだよレムネア、キミが得意とする魔法こそが秘奥となる大魔法への一歩なんだ』
ああ、そうだ。
なぜ私がこんな大魔法を知っていたのか、いまこそ思い出した。
思い出してしまった、とレムネアは青ざめた。
それは彼女が忘れたくて自ら封印していた記憶。
決して思い出したくなかった出来事。
それが今、大魔法を使ったことを切っ掛けにして、忘れていた記憶の奥底から染み出すように浮かんできたのだった。
『もー、あなた。たまに帰ってきたと思ったら、いきなりそんな大魔法を教えこもうとして』
『あはは。いいじゃないか、この子はまだ生活魔法しか使えないのにこれだけ才覚を見せている。攻撃魔法を覚えたらどうなるか、先が楽しみだ』
『やめてください、まだレムネアは小さいんですからね!』
『おとーさん』
と幼いレムネアは笑顔で。
『こんな感じ?』
基礎的な温度調整魔法を使い、部屋を涼しくした。
『そうだ偉いぞレムネア、理解してるじゃないか! ほらおまえ、見てみろ!』
『ホントお父さんは、まったくもう』
呆れたように、でも嬉しそうに笑った母親と、満面の笑みを浮かべている父親。
二人はその年の大台風から国を守る為に命を散らし、幼いレムネアはその後、攻撃魔法を覚えられない忌み子と判明して、里を追われた。
――――。
「私……、私……!」
呆然とした表情で、横風の中に浮かぶレムネアだ。
風に翻弄される。
体勢が崩れ、高度が落ちた。身体の内外から魔力をかき集め、また飛びあがる。
頭がボンヤリしていた。
いつの頃からか、風の音が聞こえなくなってきている。
レムネアは、思い出してしまった記憶の中に埋没していく。
まだ、なにも終わらせていないのに。
彼女は頭を振るが、霞のように頭に掛かったモヤは消えない。
――お父さんたちは。
とレムネアは思った。
私が攻撃魔法を使えない忌み子だと知ったらどう思ったのかな。
そうだ思い出した。
記憶を封印する前は、いつもそのことばかりを考えていた。
彼女に対する里での迫害は激しかった。周囲から期待されていた裏返しで、たくさんの石を投げられた。
お父さんたちが生きてたら、やっぱり私に失望したんだろうか。
石を投げてきたのだろうか。
あれだけ両親の死を悲しんだはずなのに、のちとなっては『忌み子ということを知られないままで済んだこと』に胸を撫で下ろした自分がそこに居た。
そんな気持ちになってしまったことが、投げられ続けた石よりもレムネアには痛かった。
彼女は信じられなかったのだ。
両親を信じることができなかった、自分のことが。
ああ、私は。
本当の意味で、忌むべき子だ。
なにせ思い出すのがツラくて、両親の記憶を自ら封印して捨てようとしたのだから。
◇◆◇◆
――声が聞こえた。レムネアの声が。
魔力補填石を握りしめた俺の頭の中に、幼い彼女の泣き声が聞こえてきた。感情が流れ込んでくる。
魔力を送ろうと、彼女を支援しようとしているのに、まるで拒否でもされてるかのように、チカラが逆流してきた。
そのチカラに声が乗ってきた。
レムネアの嘆きの声が。
なんで彼女があそこまで自分に自信を持てなかったのか、ようやく理解できた気がする。
忌み子と呼ばれて迫害を受けたことや、冒険者のパーティーで役に立てなかったこともあるだろう。だけどそれよりも、なによりも、彼女は両親ことを信じきれなかった自分に絶望していたのだ。
自分の記憶を封印してしまうほどに。
両親が生きていたら自分に失望したのだろうか。
そんな、確認する術がないことに縛られていた。
誰も正確に答えることができないことに、囚われていた。
そんなの、俺だって……気休めしか言ってやることができない。
彼女の絶望を癒すことはできない。
『そうなんです。私は親のことすらも信用できなかった人間なんです』
レムネアの声が頭の中に流れてくる。
「レムネア、俺の声が聞こえるのか!?」
『…………』
返事はなかった。
だが、さっきよりも強く、チカラが逆流してくる。
魔法石を握った手が、熱い。
火傷しそうなほど熱い。
「ぐっ、んっ!」
だけど握り込んだこの手を開くわけにはいかない。
それをしたら、彼女がひとりぼっちになってしまう。
焼ける手の平に脂汗を流しながら、俺は口を開いた。
「自分のことを、ぐ……っ、そんな風に、言うなよ」
『…………』
返事がない。
だけどレムネアの感情だけが逆流してくる。
この気持ちは……諦観?
諦めて、心を閉ざそうとしているのか?
「おいレムネア、なに諦めようとしてるんだよ!」
思わず怒りの声が出た。
「さっきまで恰好付けてたじゃないか! 無茶言って、皆の前なのに空に飛び立ったくせに!」
そこまでの気持ちで飛び出したのに、なにやってやがる!
「俺に認めさせるんだろう!? 自分の価値を!」
ぎゃふんと言わせてくれよ、俺を。
おまえを舐めててゴメンと謝らせてくれよ。
そんなおまえを、応援させてくれよ!
『……すみません、ケースケさま』
空虚な声で、彼女が呟いた。
『思い出してしまったんです。自分が信頼に値しない人間なんだって』
なに言ってやがる。
「そんなことない。少なくとも俺はおまえのことを信頼してる」
『なんでケースケさまは、私のことを信頼してくださるのですか』
感情のない声が俺の中に広がっていく。
これまでのレムネアからは考えられもしない声音だった。
初めて聞く声のトーンだった。
冷たい、とも違う。空っぽの声。
……落ち着け俺。
大きく息を吐いて、ゆっくりと話を続けた。
「一緒に暮らし始めてから、もう二ヶ月以上経っているんだぜ? 人柄なんか、わかるさ」
『それは嘘ですよ、ケースケさま』
空っぽな声がまた響いた。
『ケースケさまは、私が秘密にしてた過去すらさっき知ったばかりじゃないですか。私のなにがわかると言うのでしょう』
「わかるぞ、嘘なんかじゃない」
『ならそれは、ただの勘違いです。本当の私は、最低の人間なのですから』
「最低の人間が、町のためと言って飛び出すもんか」
『ただのエゴです。私が私を認められないから、自分の都合で飛び出しただけ』
淡々と、俺に答えをぶつけてくるレムネア。
それでも! と俺は少し声を荒げた。
「おまえは飛び出した! 町を救うためにだ」
『……記憶を、封じてましたから。思い出した以上は、もう前のままでは居られません』
「ふざけんな!」
思わず悪態がまろびでた。
「ちょっと過去を思い出したからって、それがなんだよ!」
『私の根幹を思い出してしまったんです。『ちょっと』ではなく』
「なら、それを含めて、俺はおまえを知りたいぞ!」
『え?』
ああ、そうだ。
知りたい。
苦しんでるなら、その苦しみを分かち合いたい。一緒に悩みたい。
「おまえ、白菜の苗のとき言ったじゃんか。一緒に問題を抱えたかったって、俺がまさに今、その気持ちだよ!」
続く。言葉が続く、俺の口からポロポロと、言葉が零れ落ちる。
「勝手に俺を置いていこうとしないでくれ、一緒に歩きたいんだ。それに」
『…………』
「レムネアはレムネアじゃないか。トマトとチーズが大好きで、風邪をひいたときにはちょっぴり甘えたがる女の子だ。夜光虫を夜光甲虫とか言い出して、魔物と勘違いしてしまう子だ」
なに言ってんだ俺。
自分でもわけのわからない感情が溢れだして、口が止まらない。
「日がな一日、種芋の芽を見ていても楽しそうに笑ってる子だ。タコ焼きを熱々のまま食べて、口の中をベロベロに火傷しちゃう子だ。大酒飲みで、ビールを飲ませたら底なしの子で――」
俺は大声を出した。
「最近やっと少し、自分に自信を持ててきた、頑張り屋の女の子だ!」
『違います、私は……』
「違わない!」
言い切る。
さっきレムネアは『私が私を認められないから』と言っていた。
なぜ飛び出したかの理由を、彼女はそう言った。
それは彼女が変わろうとしている証に他ならない。
「……そうだろう?」
そうなんだよ。
「自分で自分を認められるようになりたい。認められない過去の自分と決別したい。そういうことだろう?」
『私、私は……』
「ツラい記憶を取り戻したところで、おまえはなにも変わっていない。いつも自分を変えたいと思っているままの、頑張り屋の女の子だ!」
「――そうだよレムネアおねーちゃん!」
いつの間にか俺の横に立っていたリッコが元気な声をだした。
『リッコ……ちゃん?』
「おねーちゃんは、この町のために今だって戦ってくれてるじゃない!」
「そうですよレムネアさん」
リッコの横でナギサが笑っている。
「ここから見えてますよ。台風に向かって、今まさに魔法を掛けていてくれるところが」
『……ナギサ、ちゃん』
「二人の……言う通り、なんです。なにかが、変わったとしても……、レムネアお姉ちゃんは優しい、まま、だと思います」
『美津音ちゃん……』
三人とも、魔力補填石を握っている。レムネアが三人にプレゼントしたものだ。
だからどこからかはわからないけど、俺たちの会話を聞いていたに違いない。
「なあレムネア」
三人娘のお陰で、俺も落ち着けた。
レムネアもたぶん、落ち着いたんだと思う。伝わってくる雰囲気が、丸くなった。
「自分の為でも町の為でも良いんだ。おまえは今、おまえ自身と戦おうとしている。それが嬉しい」
『……私、変わってもいいんでしょうか。両親を信じられなくて、記憶を封じた卑怯者なのに』
「いいに決まってる。そして俺は、その横にずっと居たいんだ。レムネア」
『ケースケ、……さま』
「俺も、もっともっとレムネアのことを考える。同じくらい、野菜のことも考える。じいちゃんが残してくれたこの土地を、立派な畑に戻したい。だけど今の俺じゃ、まだそれは叶わない」
俺も、もっともっと変わらないと。成長しないと。だから。
「一緒に変わっていこうぜ、おまえも、俺も」
『……はい』
レムネアから逆流していたエネルギーが、流れを変えた。
あれだけ熱を持っていた魔法石が嘘のように冷めていく。
暖かさが、俺を包み込んだ。
「はは。ここでプロポーズかよ、ケースケ?」
「いや! そういうわけじゃなく、これはあくまで仕事のパートナーとして……!」
「わはは。こらレイジくん、ケースケくんをおちょくったらいかんよ。で、仲人の件じゃが」
「勘弁してください、野崎さん!」
俺の後ろにいた二人が、笑っている。
「その光ってる青い石で、レムネアちゃんの援護ができるのかの?」
「はい、これでレムネアに魔力を補填できます」
俺が頷くと、二人は俺たちの手を取った。
野崎さんが町民に声を掛ける。
「ほら皆、聞いた通りじゃ。レムネアちゃんに魔力とやらを送ろう。我々の町のために戦ってくれている勇敢な女の子に!」
一人、また一人と。
野崎さんの声で町民が手を繋いで輪になってゆく。
俺たちは大雨の小学校グラウンドに、大きな円を作って空を見上げた。
『魔力が……、魔力が満ちてきます……!』
「いいぞレムネア、やっちまえ!」
「はい……!」
『
空にいるレムネアが、大きく杖を振った。
ひと際ぶっとい光線が、台風の中心へと向かって伸びてゆく。
時折レムネアが苦しそうな声を漏らす。
俺たちは彼女を応援した。
「頑張れ、レムネア」「おねーちゃん」「レムネアさん」「レムネア……、お姉、さん」
輪になった町の人たちも、口々にレムネアを応援している。
どれほどの時間が経っただろう。
雨が少し弱まった。
台風は消えぬまでも、だいぶ勢力を弱めたのだった。
レムネアの活躍のお陰で。
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