第7話

「まだこれくらいで照れてんの?」


「…も、からかうのやめてよ」



両手で頬を固定されてるから顔を動かすことが出来なくて、淡い色素の双眼にじっと覗き込まれる。



「お前、犯罪級に可愛いよな」



平気でそんな事を言ってくるこいつの神経を疑う。



「そっちだって…」


「ん?」


「かっこよすぎてムカつくし…っん、」



途端に唇ごと食べるように重ねられたそれは、ゆっくりと離されていく。



わざとらしくリップ音なんて鳴らして。



『もっと』なんて思っているあたしは相当こいつの毒牙にやられているに違いない。

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