第3話

「ねーえー」


「…ん?」


「起きないと遅刻するってば!」



巻きつく腕に手を掛けて揺らしてみるも対して効果なし。



「…そーだなぁ」


「おーい!」


「………」




朝がかなり弱いこの人を起こすのは一苦労だ。


放っておけばどれだけ寝ても起き上がろうとしない。



寝る子は育つっていう言葉があるけど、本当にその通りでこいつは身長も中身も育ち過ぎてる。



超がつくほど整った顔立ちに生まれたこの人は、今や絶対的な王者にもなって、何百というヤンチャな人種のトップに立つ男。



ーーーSiren 九条嶺亜。



と聞けば、この街で知らない人はいない。

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