第2話
「……どこ行くの?」
さっきまで寝ていたはずなのに、起き上がろうと絡みつく腕から少し身を捩ればさらに力を込められてしまう。
寝起きで少し掠れた声はいつもの数倍色気を増して厄介だ。
「どこって…今日月曜でしょ!学校行かないとじゃん」
「……えーまだ早くねえ?」
甘ったるい声で「寒いから離れんな」なんて言いながら背中からあたしをまるごと包み込み、足には彼のそれが絡む。
ふわりとベージュの髪があたしの頬をくすぐった。
その瞬間……、
このまま世界が滅びようがどうでもいいやって思えるくらい、あたしは幸福感に包まれる。
身体中がこの人が愛しいって叫ぶ。
ああ、今日も大好きだ。
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